編集後記2018年7月号

【編集後記】 国会の会期延長が与党のゴリ押しで決定して、いわゆるIR法案と公職選挙法改正が審議されています。IRといえばインベスターズ・リレーションのことだと思っていましたが、いつの間にか統合型リゾートが幅を利かせています。それも実態はカジノ賭博を合法化する法案なのです。これまでカジノ法案と呼でいたマスメディアまでが、いつのまにかIR一色になったのは一体どういうことなのでしょうか。
それに参議院の合区に対する該当選挙区向けの言い訳として持ち出された選挙法改正案に至っては党利党略そのものです。与党の良識は一体どこに行ったのでしょうか。
次号は、小島眞氏「成長著しいインドの政治経済の現状と展望」、石川一洋氏「ポストプーチンと日ロ関係」。吉崎達彦氏「地政学リスクと日本経済」を掲載予定です。

編集後記2018年6月号

【編集後記】 大谷翔平選手の活躍は本人の意思を尊重しバックアップした監督の存在があってこそ生まれました。世界のひのき舞台で成功している多くの選手の活躍は自立した前向きの姿勢から生まれています。その一方で選手を支配し、誤った指導を押し付ける古い体質の指導者も跋扈しています。権力に胡坐をかく存在は社会の害毒であるとしか言いようがありません。 次号は、酒井啓子氏「変動する中東域内関係」、小峰隆夫氏「日本経済の現状と政策課題」、山田惠資氏「安倍政権は継続か終焉か」、中林美恵子氏「中間選挙後のトランプ政権とアメリカ」を掲載予定です。

編集後記2018年5月号

【編集後記】 森友・加計問題を巡る公文書改ざんや自衛隊海外派遣部隊の「日報」隠蔽問題では廃棄されたはずの文書が次々に見つかり、政府の答弁の信ぴょう性が大きく揺らぐ事態になりました。そこへ飛び込んできた財務次官のセクハラ問題は本人の全否定後に、被害女性の勤務先が事実関係確認を発表。いずれも官僚が平気でうそをつくことを国民に知らしめました。日本の行政が社会的常識や人間性に欠ける人たちの手に委ねられていることを知るのは大変悲しいことです。
次号は、高橋和夫氏「トランプ政権と中東」、渡部恒雄氏「トランプ政権はどこに向かうのか」、伊藤元重氏「内外経済の動きについて」、篠田英朗氏「日本の国際平和協力活動と憲法改正」を掲載予定です。

編集後記2018年4月号

【編集後記】 習近平、プーチンなど強権的な政権の長期化が顕著になっています。トルコ、フィリッピン、チェコでも、次々に強権政治が力を得ています。民主主義は選挙を通じて国民が政権を選択することが肝ですが、正しい選択をするためには、十分な情報を持ち、まっとうな物の考え方を身に着けた選挙民が必要不可欠です。自由で自立した市民が存在しなければ、民主主義は国家主義に飲み込まれてしまうでしょう。次号は、原田伊織氏「明治維新という《過ち》から何を学ぶか」、川島博之氏「戸籍アパルトヘイト国家、中国の未来」、歳川隆雄氏「今春以降の国内外情勢」、浜矩子氏「グローバル経済の行きはよいよい帰りは恐い」を掲載する予定です。

編集後記2018年3月号

【編集後記】 平昌五輪では日本選手が予想を上回る活躍を見せ、文字通り日本中を沸かせています。強くなった選手の多くが、かつてのような根性一本槍の練習ではなく、科学的な理論に基づく弱点の克服や身体能力の向上のために、世界の最も望ましい環境を探して飛び込んでいく勇気とたくましさを備えているようです。スポーツの世界も頭脳と情報なしには生きていけない時代を迎えています。
次号は、辺真一氏「平昌五輪後の朝鮮半島は和解か、軍事衝突か?日本はどうなる?」、川島隆太氏「スマート・エイジング――認知症ゼロ社会を目指す東北大学の挑戦」、東郷和彦氏・下斗米伸夫氏・隈部兼作氏・小泉悠氏「プーチン政権下のロシアとこれからの日ロ関係」、熊野英生氏「2018年の日本経済を考える」を掲載予定です。

編集後記2018年2月号

【編集後記】 冬季五輪平昌大会では、開催間近になって突然参加を表明した北朝鮮の動向が注目を集めました。参加選手が20人程度なのに派遣人数は応援団230人を含めて500人規模になり、その派遣費用を韓国が負担することになりました。開会式には韓国と北朝鮮の選手が統一旗を掲げてともに行進するとということは、もともと一つの国なのだから、費用負担も当然なのかもしれません。しかし、北朝鮮と韓国の蜜月が北朝鮮の非核化につながるという幻想は全く論外でしょう。
次号は、藤原帰一氏「ポピュリズムをどう考えるか」、吉川洋氏「2018年日本経済の課題」、田中秀征氏「保守本流と自民党本流」を掲載予定です。

編集後記 2018年1月号

【編集後記】 大相撲はもうすぐ初場所が始まります。暴行事件を相撲協会がどのように総括するのかが気になりますが、恐らく通り一遍の結論でしょう。とても白鵬の言うような「膿を出し切る」ことにはならないでしょう。それよりも気になるのは横綱の権威の低下です。現役力士のトップに君臨する白鵬は土俵上の取り組みにおいて度々「厳重注意」を受けています。横綱としてふさわしくないという以前に危険な行為やしてはいけない審判へのクレームなど明らかなルール違反が近年目立っているのです。サッカーであれば警告が重なれば退場になるという明確なルールが確立しています。そうでなければ、違反行為はやり得と言うことになるでしょう。
次号は、寺島実郎氏「2018年への視座」、進藤榮一氏「トランプ以後の世界はどこへ行くのか」、嶋中雄二氏「2018年日本経済の展望」を掲載予定です。

編集後記2017年12月号

【編集後記】 総選挙の結果について、メディアには、「自民党圧勝」とか「自民党大勝」という言葉が溢れましたが、果たしてそうでしょうか。議席数では前回並みでしたが、比例区の得票率をみる限り、とても圧勝とか大勝と呼べる水準ではありません。これで改憲を始めとした俄か仕立ての公約のすべてがお墨付きを貰えたと考えるのはお門違いというものでしょう。とりあえず国民は政権運営を安倍政権にゆだねましたが、それは現状ではそれ以外の選択肢がなかったからです。しかもこの結果は違憲状態の一票の格差に助けられたものであることを見逃してはなりません。次号は、水島治郎氏「ポピュリズムの時代なのか:岐路に立つ現代デモクラシー」、高原明生氏「第19回党大会後の中国」、佐和隆光氏「文系軽視・理系偏重は日本を滅ぼす」を掲載予定です。

編集後記2017年11月号

【編集後記】 「岩盤規制にドリルで穴を開ける」と国際会議で大見得を切った安倍首相ですが、その突破口として掲げた経済特区で実現したのはお友達の学校新設でした。今、日本経済に必要なのは、新たな成長機会を生み出す規制改革です。そのメスがはいらなくてはならないのは、いまだ国家管理が続く、農林水産省、国土交通省、文部科学省の既得権益保護行政です。5年間も金融と財政によりかかりつづけ、構造の変革は口だけだった安倍政権は、日本の長期停滞を深刻化させ、変革を進めることができなかったことをこそ、自ら総括すべきでしょう。
次号は、曽我豪氏「政治の怖さ、面白さ」、三浦瑠麗氏「北朝鮮核危機と日本」、山下一仁氏「柳田・石橋の農政論と農業改革」、河野龍太郎氏「完全雇用なのになぜ追加財政、金融緩和を続けるのか」を掲載予定です。

編集後記2017年10月号

【編集後記】 9月1日の関東大震災「慰霊の日」に、「朝鮮人犠牲者を慰霊する式典」への都知事の追悼文送付が取りやめられました。この前段として、今年4月の都議会において、自民党議員から慰霊碑の碑文にある犠牲者6千余という数字に疑義が出された、これを受けての見送りとも考えられます。小池氏は「史実については歴史家にゆだねる」と答えていますが、人数の多少はともかくとして、少なからぬ朝鮮人が虐殺された事実は否定の余地がありません。日本国民としてその行為を深刻に受け止め、犠牲者に哀悼の意を表することは当然の行為です。
次号は、石破茂氏「自民党、そして日本の今後について」、長尾年恭氏「大規模地震対策特別措置法見直しと予知の実力」、田中均氏「朝鮮半島問題に解はあるか」、武者陵司氏「インターネット・ゴールドラッシュ時代の投資戦略」を掲載予定です。