編集後記2017年3月号

【編集後記】 お金を払って物を買い、物を売ってお金を受け取るという行為はそれぞれが等価交換です。売るものより買うものが多かったから自分は損をしたと考えるのは単純な算数すらできない愚か者でしょう。こんな人が米国の一流大学の卒業生だというのだから驚きです。そして自分の兄をなんの法的な根拠もなく、ただ存在が気に食わないからと言って抹殺する国家指導者が存在することも信じがたいことです。われわれは愚か者と狂人との核のゲームを見守るしかないのでしょうか。
次号は、上原良子氏「ヨーロッパ統合が目指してきたもの」、田中素香氏「英国のEU離脱とEUの将来」、福田耕治氏「英国EU離脱決定後の欧州政治とEU統合の行方」、辺真一氏「波乱の朝鮮半島情勢」、小峰隆夫氏「2017年日本経済の展望と課題」、久坂部羊氏「元医師だった父の上手な平穏死」を掲載予定です。

経済倶楽部講演録2017年3月号   No.817

2017年3月号目次
トランプのアメリカ-2017年の国際情勢
東京大学大学院教授                 藤 原 帰 一

トランポノミクスは世界を救うのか?-トランプ時代の世界経済と日本経済の行方
早稲田大学政経学部教授         若田部 昌澄

欧州懐疑派の台頭に揺れるEUの2017年展望
慶應義塾大学法科大学院教授 庄 司 克 宏

トランプ時代と日本
福山大学客員教授                       田 中 秀 征
〔談話室〕            「公僕」は死語になったのか     柴生田晴四
〔会員の広場〕     津波は、波にして波にあらず   小長井 孝
経済倶楽部便り
読 書 通 信(No.145)
バックナンバーのご案内/編集後記

読書通信2017年2月号

■ 宇沢弘文先生には7~8年前、経済倶楽部で年初に2度、講演していただいたが、80歳を超えてかくしゃく、奔放な話しぶりが印象的だった。亡くなられて2年余、残された2000本の論文の中から選び抜いて生まれたのが宇沢弘文『宇沢弘文傑作論文全ファイル』東洋経済新報社、4860円)である。著者が切り開いた社会的共通資本に関連する論文が多数収録されているが、個別テーマとしては環境、医療、教育、農業という柱が注目点だ。執筆当時の現状批判と理想像の提示が今なお新鮮で十二分に通用する点、本書の価値は極めて高い。
通奏低音として流れるのは市場原理主義的な思考や政策への強烈な批判であり、シカゴ大学時代のエピソードなどまたしても引き込まれた。宇沢経済学の特徴を一言で言えば、時代を先取りした問題提起と、弱者への温かい視点ということになろうか。420ページに及ぶ大著だが、倦むことなく通読し、今後は書棚の特等席に置いて折にふれて読み返したいと思った。 続きを読む »

編集後記2017年2月号

【編集後記】 豊洲新市場の地下水から9回目の最終調査で国の基準値を大幅に上回る有害物質が検出されました。今回の調査は入札で選ばれたこれまでとは異なる調査機関が行いました。なぜこれまでとは大幅にことなる結果が出たのか。諸説紛々ですが、これから何度調査しても今回の結果を消すことはできません。こうした状況に陥る将来のリスクを否定できないのです。地下水が基準値を超えたからといって地上で取引される生鮮品に危険が及ぶわけではないといった専門家の発言がありますが、まさに噴飯ものです。地下水が汚染されていれば気化した有毒ガスが地上に上がってくる。それを防ぐために盛り土をするということではなかったのか。そしてその盛り土は存在しないのです。この計画は白紙に戻すしかないでしょう。
 次号は、藤原帰一氏「トランプのアメリカ」、若田部昌澄氏「トランポノミクスとは何か」、庄司克宏氏「欧州懐疑派の台頭に揺れるEUの2017年」、田中秀征氏「トランプ大統領と日本」を掲載予定です。

経済倶楽部講演録2017年2月号 No.816

2017年2月号目次

2017年の世界と日本
青山学院大学特別招聘教授       榊 原 英 資
戦後日本の国際協力と日本の課題
東京大学東洋文化研究所教授 田 中 明 彦
2017年日本経済の展望
三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長
嶋 中 雄 二
〔談話室〕    「片付け」という病         柴生田 晴四
〔会員の広場〕   カンボジア支援の旅   田川 修司

経済倶楽部便り
読 書 通 信(No.144)
バックナンバーのご案内/編集後記

読書通信2017年1月号

■ 年頭に当たり、昨年1~12月号で紹介した48冊の中からベストテンを選んでみた。ジャンルが片寄らないように心掛けたのと、知的な面白さを優先した点、ご了承いただきたい。知的という以上、当方の知的レベルが問われる点で忸怩たるものがあるけれど、もしお読みでない本があれば、バックナンバーでご確認を。
馬場錬成『大村智物語』(2)、上野千鶴子『おひとりさまの最後』(4)、中路啓太『ロンドン狂爛』(5)、樋口陽一・小林節『憲法改正』(6)、菅野完『日本会議の研究』(7)、福嶋聡『書店と民主主義』(9)、楊海英『逆転の大中国史』(10)、神奈川新聞『ヘイトデモをとめた街』(11)、竹村公太郎『水力発電が日本を救う』(11)、橋本明『知られざる天皇明仁』(12) (カッコ内は月号)
日本会議では青木理『日本会議の正体』(9)も加えておくのが公平だろう。ノンフィクションでのベストは『ロンドン狂爛』、エンタメならベストテンには加えなかったが立川談春『赤めだか』(2)が抱腹絶倒の「傑作」である。
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読書通信2016年12月号

■ イトマン事件が経済界を揺るがしてからもう26年になる。事件の陰の中心人物だった著者が克明なメモによって執筆した国重惇史『住友銀行秘史』講談社、1944円)はここまで書いていいのかと思われるほど関係者の言動を赤裸々に再現している。イトマンの河村良彦社長を住友銀行が全くコントロールできなかったのはなぜか。住銀の磯田一郎会長はどのように考え動いたか。著者は張り巡らした人脈により主要人物の電話・面談の時間や内容までつかんでいる。面白さでは今年随一かもしれない。
著者がいちばん追及したかったのは、老いとスキャンダルに身動きの取れない磯田会長に対してなお、顔色をうかがうばかりで主体性を発揮できなかった経営陣の無責任さである。サラリーマン経営者の保身はいつの時代にも経営を誤らせかねないことを痛感させられる。だがかつて、これほど執拗に追求した著者の真の動機はなんだったのか。文中、「住銀を愛したから」とあるが、本当か。本書に登場する新聞記者に「むしろ義憤だった?」と尋ねたら「そうだったかもしれない」という返事だった。
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編集後記2017年1月号

【編集後記】 昨年末にトルコとドイツで相次いでテロ事件が発生しました。これによって一段と新年の世界が保護的かつ排外的にならないことを願うばかりです。
テロの背景についての報道機関の解説は、どれもこれまでの繰り返しで、あまり参考になる情報はありませんでした。これについては、11月の講演会で池内氏がお話になった「ジハード」が世界に拡散するテロを理解するキーワードとして重要ですし、インターネットの普及も世界を変えてしまいました。
次号は、榊原英資氏「2017年の世界と日本」、田中明彦氏「戦後日本の国際協力と今後の展開」、嶋中雄二氏「2017年日本経済の展望」を掲載予定です。

編集後記2016年12月号

【編集後記】 国会における憲法改正論議が始まりました。思考停止ではなく、とにかく正面から論議がなされることはいいことです。論戦の入り口で扉を閉めるのではなく議論を行うことを決めた野党も正解であったと思います。改憲の是非はともかく日本国憲法をまずしっかり読み込み、本当の意味での理解を深める必要があります。その意味では70年近くも日本国の規範であり続けた憲法の具体的な問題点を指摘するのではなく、成立の経緯が押しつけであったから書き直すべきだという議論を繰り返す自民党の議論はまったく論戦の糸口にはふさわしくありません。
次号は、翁邦雄氏「日本経済に必要な経済政策を考える」、浜矩子氏「グローバル経済の近々未来――あの角の向こう側にあるもの」、池内恵氏「混迷する中東情勢を展望する」、山田孝男氏「皇位継承と政権、報道について」を掲載予定です。

経済倶楽部講演録2017年1月号 No.815

2017年1月号目次

日本経済に必要な経済政策を考える
京都大学公共政策大学院教授               翁 邦雄

グローバル経済の近々未来-あの角の向こう側にあるもの
同志社大学大学院教授                            浜 矩子

混迷する中東情勢を展望する
東京大学先端科学技術研究センター准教授
池   内  恵

皇位継承と政権、報道について
毎日新聞政治部特別編集委員                山  田 孝男

〔談話室〕  映画雑感6                         柴  生 田    晴 四

〔会員の広場〕  こども食堂                  安 間 孝 信

経済倶楽部便り

読  書  通  信(No.143)

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