人口成熟で激変する日本、東アジア、世界の2020年代:壊滅するのは過疎地なのか、それとも大都市圏か?

5月10日(金)第4288回       藻谷  浩介氏((株)日本総合研究所主席研究員)

今東アジアを襲っている巨大な人口成熟の波、即ち出世数の減少と(後期)高齢者の激増は、経済にいかなるインパクトを
与えるのか。先行する日本、なかんづく過疎地で起きていることから、世界の未来を推論します。

講師紹介

1964年生まれ。83年山口県立徳山高校卒業。88年東京大学法学部私法コースを卒業し、日本開発銀行入行。94年米国コロンビア大学経営大学院修了。99年日本政策投資銀行地域企画部調査役。12年より現職。主な著書に『観光立国の正体』(新潮社 2016)、『デフレの正体』(角川書店 2010)、『ニッポンの地域力』(日本経済新聞出版、2007)がある。

 

21世紀の戦争と平和

4月26日(金)第4287回        三浦  瑠麗氏(国際政治学者)

国際情勢が流動化し、ポピュリズムが台頭する中で、国民国家強化と負担共有を通じた戦争抑止の試みを探りながら、
カントの『永久平和のために』を手掛かりに現代の徴兵制の象徴的意義を考えます。

講師紹介

1980年神奈川県生まれ。99年神奈川県立湘南高校を卒業し、東京大学理科一類に入学。2001年同大
学農学部生物環境科学課程に進学。04年4月、東京大学大学院公共政策学教育部(公共政策大学院)専
門修士課程に入学。10年10月東京大学大学院法学政治学研究科総合法政専攻博士課程修了し、法学博
士に。07年日本学術振興会特別研究員を経て現職。10年に「長期的視野に立った成長戦略-ワーキン
グマザー倍増計画」で東洋経済新報社主催の第26回高橋亀吉記念賞で佳作受賞。主な著書に
『21世紀の戦争と平和』(新潮社 2019)、 『「トラン プ時代の新世界秩序』(潮新書、2017)、
『日本に絶望している人のための政治入門』(文春新書、15)が あります。

生産性上昇をどう実現するか~マクロとミクロの視点

4月19日(金)第4286回      熊野 英生氏(第一生命経済研究所首席エコノミスト)

人口減少下の日本では、経済成長は生産性上昇になります。働き方改革とは無関係です。本当の生産性上昇はマクロなら投資、ミクロならアイデア、組織力、教育で生まれることを論じます。(ご家族参加可)

講師紹介
1967年山口県生まれ。90年横浜国立大学経済学部卒業後、日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年退職後、第一生命経済研究所入社。現在首席エコノミスト。主な著書に『本当はどうなの? 日本経済 ―俗説を覆す64の視点』(日本経済新聞出版社、2012)、『バブルは別の顔をしてやってくる』(日経プレミアシリーズ、2010)、『3時間でつかむ金融の基礎知識』(明日香出版社、2009)、『デイトレのリアル!』(洋泉社、2006)、『籠城より野戦で挑む経済改革』(東洋経済新報社、2003)、『どうすればリスクに強くなれるか』(近代セールス社、2002)がある。

日ロ関係:歴史と現代

4月12日(金)第4285回      下斗米 伸夫氏(神奈川大学特別招聘教授)

昨年秋から日ロ関係は新しい歴史的段階に入りました。安倍総理は日ソ共同宣言に基づいて現実的解決を目指す方針を示しましています。本講演では日ロ関係を歴史的に規定した4K(クリミア、コリア=朝鮮、キタイ=中国、クリル)との関係で現段階を考えます。

講師紹介

1948年札幌市生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。法政大学法学部教授を経て2019年4月から現職。朝日新聞客員論説委員、2002年から2004年まで日本国際政治学会理事長。2004-06年まで日ロ賢人会議メンバー。プーチン大統領の国際諮問機関、バルダイクラブ成員。主な著書に『神と革命』(筑摩選書,2017年)『ソビエト連邦史』(講談社文庫、2017年)『宗教と地政学から読むロシア』(日経新聞,2016年)、『プーチンはアジアをめざす』(NHK新書、2014年)、『日本冷戦史』(岩波書店、2011年)などがあるほか、編著に五百旗頭真、トルクノフらと『日ロ関係史―パラレル・ヒストリーの挑戦』(東大出版会,2015)など多数。

 

平成を振り返って

4月5日(金)第4284回      田中  秀征氏(福山大学客員教授 元経済企画庁長官)

平成はポスト冷戦への大きな課題を担って幕を開けましたが、我々はそれに応えられませんでした。何よりの課題は冷戦後の政治や経済に新しい展望を開くことだったのですが、残念ながら不首尾に終わりました。それはバブル崩壊後の後始末に手間取ったこと、そして小選挙区制の導入に力と時間をかけ過ぎたことが大きな理由です。そして「政治改革」に大変なエネルギーを要したにもかかわらず、政治の質がさらに劣化の一途を辿ってしまいました。いま平成を閉じるにあたり、次の時代へと持ち越された宿題にどう取り組むべきか考えてみます。

講師紹介

1940年長野市生まれ。東京大学文学部西洋史学科、北海道大学法学部卒業。83年衆議院議員当選。93年新党さきがけを結成、代表代行。細川政権で内閣総理大臣特別補佐。96年橋本内閣で経済企画庁長官。99年民権塾を開塾。著書に『落日の戦後体制』(ちくま文庫、2010)、『判断力と決断力』(ダイヤモンド社、2006)『日本リベラルと石橋湛山』(講談社、2004)、『梅の花咲く ―決断の人・高杉晋作』(講談社文庫、2002)『舵を切れ-質実国家への展望』(朝日文庫、2000)。

建国70周年を迎える中国の内憂外患

3月29日(金)第4283回     高原 明生氏(東京大学公共政策大学院院長 大学院法学政治学研究科教授)

中国経済の減速は3月の全人代が済んだ時期に昨年より顕著になりました。それが国内社会や政治の安定に与える衝撃、
さらに 米中対立が東アジアに及ぼす影響など、本年の中国の内憂外患について検討します。

講師紹介
1958年神戸市生まれ。81年東京大学法学部卒業。88年英国サセックス大学にて博士号取得。立教大学教授等を経て2005年より東京大学大学院法学政治学研究科教授、2018年より公共政策大学院院長を兼任。在中国日本大使館専門調査員、英国開発問題研究所理事、ハーバード大学訪問学者、アジア政経学会理事長、新日中友好21世紀委員会委員(日本側秘書長)、北京大学訪問学者、メルカトール中国研究所上級訪問学者などを歴任。東京財団政策研究所上席研究員、日本国際問題研究所上席客員研究員、日本国際フォーラム上席研究員などを兼任。近著に『シリーズ中国近現代史⑤ 開発主義の時代へ1972-2014』(共著、岩波新書)、『東大塾 社会人のための現代中国講義』(共編、東京大学出版会)。

 

 

今、気になる『あれらの言葉』~経済的風景画の危うさをどう読み解くか

3月15日(金)第4281回       浜 矩子氏(同志社大学大学院教授)

経済的風景画がかなり怪しげな様相を呈しています。この怪しさを体現するキーワードは三つの「通」です。
それはどういう「通」なのか。今回も謎解きにお付き合い下さい。

講師紹介

1952年生まれ。1975年一橋大学卒業、三菱総合研究所入社。90~98年初代ロンドン駐在員事務所長。経済調査部長、政策経済研究センター主席研究員を経て2002年より現職。近著に『これでも「アベ」と心中しますか?』(廣済堂出版、2017)、『どアホノミクスの断末魔』(角川新書、2017)、『どアホノミクスよ、お前はもう死んでいる』(講談社α新書、2017)、『どアホノミクスの正体』(講談社、2016)、『2016年日本経済 複合危機襲来の年になる!』(東洋経済新報社、2015)、『「アベノミクス」の真相』(中経出版、2013)、『超入門・グローバル経済』(NHK出版新書、2013)、『新・国富論―グロ-バル経済の教科書』(文春新書、2012)、『2013年世界経済 総崩れの年になる!』(共著、東洋経済新報社、2012)、『財政恐慌』(徳間書店、2012)、『中国経済あやうい本質』(集英社新書、12)、『EUメルトダウン』(朝日新聞出版、11)、『ソブリンリスクの正体』(フォレスト2545新書、11)、『恐慌の歴史』(宝島社新書、11)、『成熟ニッポン、もう経済成はいらない』(共著、朝日新書、11)など。

 

朝鮮半島をどう見るか:変化する北東アジアの国際環境を考える

3月8日(金)第4280回       木村  幹氏(神戸大学大学院教授)

2018年の北朝鮮新年辞発表以降、朝鮮半島を巡る状況が大きく動いている。その中の一つの特徴は嘗てとは異なり、日本の存在感が大きく減少している事である。どうして北朝鮮や韓国はこの大きな動きの中で、日本を等閑視する事となっているのか。本報告ではその原因について北東アジアの大きな構造変化の枠組みから説明する。

講師紹介

1966年生まれ。90年京都大学法学部卒業。92年同大学院法学研究科修士課程修了(比較政治学専攻)。2001年京都大学博士(法学)。97年神戸大学大学院国際協力研究科助教授。2005年 同教授。17年同大学アジア学術総合センター長。この間、96~97年韓国国際交流財団研究フェロー、98年~99年ハーバード大学フェアバンク東アジア研究センター客員研究員。以降、高麗大学、オーストラリア国立大学、ワシントン大学で研究員。2014年高麗大学国際大学院招聘教授。主な著書に『日韓歴史認識問題とは何か 歴史教科書・『慰安婦』・ポピュリズム』(ミネルヴァ書房 2015  読売・吉野作造賞)、『韓国における「権威主義的」体制の成立』(ミネルヴァ書房 2003  サントリー学芸賞)、『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房  2001   第13回アジア・太平洋特別賞)がある。

日本1.0とパクス・トクガワナ-日本人には戦略がないのか

3月1日(金)第4279回      山内昌之(東大名誉教授 武蔵野大学特任教授)

日本と日本人には国家戦略と戦略的思考がないとよく言われる。しかし、近世の開幕から四百年、日本人は世界史的に見れば合格点ともいえる戦略的システムを作り上げてきた。徳川家康は内戦を封じ込めて「日本1・0」を作り上げ、平和と安定の江戸社会を三百年近くも持続させた。私はいま『文藝春秋』で連載中の「将軍の世紀」で「日本1.0」に触れている。講演では、家康という稀有の「軍人政治家」を通して、リーダーシップと国際協調主義の在り方も考えてみたい。

 

講師紹介

1947年生まれ。北海道大学文学部卒業。東京大学学術博士。カイロ大学客員助教授、ハーバード大学客員研究員、東京大学教授・中東地域研究センター長を経て、現在は武蔵野大学特任教授、東京大学名誉教授、ムハンマド5世大学(モロッコ)特別客員教授。また、国家安全保障局顧問会議座長,教育再生実行会議委員、横綱審議委員などを務める。最近では、天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議、戦後70年首相談話懇談会のメンバーなども務めた。紫綬褒章、司馬遼太郎賞、吉野作造賞、毎日出版文化賞(2回)、サントリー学芸賞などを受ける。主な著書に『中東複合危機から第三次世界大戦へ』(PHP新書 2016)、 『中東国際関係史研究--トルコ革命とソビエト・ロシア1918-1923』(岩波書店 2013)、『幕末維新に学ぶ現在3』(中央公論社 2012)、 『ラディカル・ヒストリー--ロシア史とイスラム史のフロンティア』(中公新書 1991  ☆吉野作造賞)
『瀕死のリヴァイアサン』(TBSブリタニカ 1990  ☆毎日出版文化賞)、『スルタンガリエフの夢』(東京大学出版会 1986 ☆ サントリー学芸賞)。共著として『大日本史』(文春新書  2017)など。現在、月刊「文藝春秋」に「将軍の世紀」を連載中。

 

 

中央銀行という存在について考える

2月22日(金)第4278回       白川  方明氏(前日本銀行総裁、青山学院大学特別招聘教授)

経済政策論議では中央銀行が頻繁に議論されますが、私は39年の実体験に照らすと、その役割について過大評価と
過少評価が混在しているように思います。内外の中央銀行の役割や直面する課題について考えます。

講師紹介
1949年生まれ。福岡県立小倉高校を経て東京大学経済学部卒業。72年日本銀行入行。シカゴ大学大学院経済学修士。大分支店長、ニューヨーク駐在参事などを歴任。2002年日銀理事(金融政策担当)に就任。06年京都大学大学院公共政策教育部教授を経て08年3月日銀副総裁就任。同年4月に第30代日銀総裁に就任。13年日銀総裁辞任。この間、11年国際決済銀行(BIS)副議長。13年青山学院大学国際政治経済学部教授を経て現職。主な著書に『中央銀行-セントラルバンカーの経験した39年』(東洋経済新報社、2018)、『現代の金融政策・理論と実際』(日本経済新聞出版社、2008)、『バブルと金融政策-日本の経験と教訓』(日本経済新聞社/香西泰、翁邦雄との共同編集、2001)。