元医師だった父の上手な平穏死

2月24日(金)第4193回   久坂部 羊氏(医師、作家)

長生きを目指すのもいいですが、その先には死があります。そこから目を背けたことで、一度しかない死に失敗する患者を多くみてきました。上手な最期を迎えた父をサンプルに、死ぬための知識、情報をお話しします。

講師紹介
1955年生まれ。大阪府立三国丘高校を経て大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部付属病院で外科、麻酔科を研修。その後、大阪府立成人病センター、神戸掖済会病院勤務を経て、サウジアラビア、オーストリア、パプアニューギニアの在外公館に医務官として勤務。2003年に『廃用身』で作家デビュー。『破裂』、『悪医』(第3回日本医療小説大賞受賞)など出版。現在は健診センターで非常勤医師として働いている。主な著書として、上記以外に『人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期』(2014、幻冬舎新書)、『日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか』(2007、幻冬舎新書)、『呆然!日本大使館-外務省医務官の泣き笑い駐在記』(2002、徳間書店、久家義之名義)がある。

 

2017年日本経済の展望と課題

2月17日(金)第4192回       小峰 隆夫(法政大学大学院政策創造研究科教授)

日本の景気は緩やかに拡大していますが、トランプ新大統領の政策展開など不透明な面も大きく、財政・金融政策も難しい舵取りが不可避です。2017年の日本経済について、景気動向や中長期的な政策課題について考えます。

講師紹介
1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業。同年経済企画庁入庁。93年経済企画庁調査局内国調査第一課長、97年経済研究所長、99年経済企画庁調査局長、2001年国土交通省国土計画局長、03年法政大学教授を経て現職。主な著書に『日本経済に明日はあるのか』(日本評論社、2015)、『日本経済論の罪と罰』(日本経済新聞出版社、2013)、『政権交代の経済学』(日経BP、2010)など。

 

波乱の朝鮮半島-朴大統領の弾劾と日韓関係の行方、そして北朝鮮のICBM

2月10日(金)               コリア・レポート編集長   辺 真一氏

国会で弾劾された朴槿恵大統領は弾劾されるのか?解任されれば次の大統領は誰がなるのか?その結果、慰安婦合意はどうなるか?一方、北朝鮮はICBM発射を示唆、今回は軍事衝突に発展するのか。これらの問題を分析します。

講師紹介
1947年東京生まれ。明治学院大学文学部英文科。10年間の新聞記者生活を経てフリージャーナリストに。1982年、朝鮮半島問題の専門誌『コリア・レポート』を創刊。海上保安庁政策アドバイザー、沖縄大学客員教授など兼務。

ヨーロッパはどこへ行く

2月3日(金)   アジア平和貢献センター共催シンポジウム

<問題提起>      早稲田大学教授    縣 公一郎氏

<基調報告>     フェリス女学院大学教授 上原 良子氏

                  東北大学名誉教授   田中 素香氏

                            早稲田大学教授      福田 耕治氏

 ヨーロッパの統合という歴史上初めての現象は、グローバリゼーションの当然の成り行きであり、統合の条件が世界でももっとも備わったヨーロッパに最初に表れたものと見られていた。したがって、人類社会は、それぞれの地域の特殊性に応じて、何らかの地域的超国家組織を形成していくのではないかとの予測の有力な材料と考えられていた。
 ところが最近、そのような予測に水を差す出来事が起こった。イギリのEUからの離脱決定である。この出来事は、他の国々にも影響を及ぼし、EUは崩壊するのではないかとの予測をも喚起することになった。
 私どもアジアに属する民族にとっても、これを単なる別地域の出来事として看過することはできない。なぜなら、ヨーロッパ統合が単にヨーロッパだけの現象ではなく、ヨーロッパに先行的に表れた人類自然の成り行きとすれば、アジアにおいても何らかの超国家組織の形成を考えなければならないが、その実験が失敗したのだとすると、国境が低くなっていく中で国と国との間の利害を調整する別個な方策を考えなければならないからである。
 そのためにはまず、今回のイギリスのEU離脱という出来事が、例えばEU政治の不備といった特定原因に基づく一時的現象なのか、そもそも地域的超国家組織は無理なのだという本質的な現象なのかを見極めなければならない。それには、この現象を歴史的、経済的、政治的といった各方面から分析することが必要である。このたびのシンポジウムはまさにそれを意図したものである。

 

トランプ大統領と日本

1月27日(金)第4189回        福山大学客員教授    田中 秀征氏

トランプショックが続いています。トランプ大統領の出現に世界、特に日本はほとんど準備をしてきませんでした。英国のEU離脱の時もそうでした。“トランプ現象”をどう捉え、日本はどう対応すべきか、今回は私見を述べてみます。

講師紹介
1940年長野市生まれ。東京大学文学部西洋史学科、北海道大学法学部卒業。83年衆議院議員当選。93年新党さきがけを結成、代表代行。細川政権で内閣総理大臣特別補佐。96年橋本内閣で経済企画庁長官。99年民権塾を開塾。著書に『落日の戦後体制』(くま文庫、2010)、『判断力と決断力』(ダイヤモンド社、06)、『日本リベラルと石橋湛山』(講談社、04)、『梅の花咲く ―決断の人・高杉晋作』(講談社文庫、02)、『舵を切れ ―質実国家への展望』(朝日文庫、00)。

 

欧州懐疑派の台頭に揺れるEUの2017年展望

1月20日(金)第4188回      慶應義塾大学法科大学院教授  庄司 克宏氏

 

英国のEU離脱、米国のトランプ大統領当選により、欧州懐疑派政党の勢力が台頭する中で、2017年にはEUの創立メンバーである蘭仏独で国政選挙があります。その結果によるシナリオを想定し、今後のEUを展望します。

講師紹介
1957年生まれ。80年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。83年同政治学科卒業。85年同大学院法学研究科修士課程修了。90年同博士課程単位取得退学。二松学舎大学専任講師、同助教授、横浜国立大学大学院助教授、同教授を経て現在、慶応義塾大学法科大学院教授(Jean Monnet Chair)。1996~97年 ケンブリッジ大学客員研究員、2001年欧州大学院客員研究員。主な著書に『EU法-基礎編』(岩波書店、2003)、『EU法-政策編』(岩波書店、2003)、『欧州連合-統合の論理とゆくえ』(岩波新書、2007)がある。

トランポノミクスは世界を救うのか?~トランプ時代の世界経済と日本経済の行方

1月13日(金)      早稲田大学政経学部教授  若田部  昌澄氏 

トランプ新米国大統領の経済政策トランポノミクスの登場で世界経済はどう変わるか。果たしてトランポノミクスは長期停滞、格差、成長の行方といった世界経済の問題への解決策となるか。トランプ時代の機会と危険を検証します。
講師紹介
1965年神奈川県生まれ。87年早稲田大学政治経済学部卒業。同大学院経済学研究科、Toronto大学経済学大学院博士課程修了。Cambridge大学、George Mason大学客員研究員。2005年早稲田大学教授。編著書に『経済学者たちの闘い― 脱デフレをめぐる論争の歴史(増補版)』(東洋経済新報社、13)、『解剖アベノミクス – 日本経済復活の論点』(日本経済新聞出版社、13)、『「日銀デフレ」大不況』(講談社、10)、『伝説の教授に学べ!』(共著、東洋経済新報社、10)、『「環境主義」は本当に正しいか?』(監修、日経BP社、10)、『日本の危機管理力』(編、PHP研究所、09)、『危機の経済政策』(日本評論社、09=石橋湛山賞受賞)、『再分配とデモクラシーの政治経済学』(共著、東洋経済新報社、06)、『改革の経済学』(ダイヤモンド社、05)、『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社、04=日経経済図書文化賞受賞)。

トランプのアメリカ

2017年1月6日(金)      東京大学大学院教授  藤原  帰一氏

ドナルド・トランプ氏が45代アメリカ大統領に就任する。なぜトランプ氏が大統領に選ばれたのか、孤立主義と保護貿易を掲げるトランプ氏のもとで、アメリカの政治はどのように展開し、どのような世界が生まれるのか、考えてみたい。

講師紹介 

1956年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得中退。イエール大学大学院に留学。1987年千葉大学助教授。92年東京大学社会科学研究所助教授。99年東京大学大学院教授。近著に『戦争の条件』(集英社、13)、『これは映画だ!』(朝日新聞出版、12)、『平和構築・入門』(有斐閣、11)、『アメリカの影のもとで』(共編著、法政大学出版局、11)、『新編平和のリアリズム』(岩波現代文庫、10)、『この「くに」の面影』(共著、日本経済新聞出版社、09)、『グローバル資本主義の未来』(NHK出版、09)、『戦争解禁』(ロッキング・オン、07)、『平和政策』(有斐閣ブックス、06)、『映画のなかのアメリカ』(朝日選書、06)、『平和のリアリズム』(岩波書店、04=石橋湛山賞受賞)、『国際政治講座4 国際秩序の変動』『同3 経済のグローバル化と国際政治』(ともに編著、東京大学出版会、04)、『「正しい戦争」は本当にあるのか』(ロッキング・オン、03)『デモクラシーの帝国』(岩波新書、02)、『戦争を記憶する』(講談社現代新書、01)。

2017年日本経済の展望

12月16日(金)   三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長  嶋中  雄二氏

 

講師紹介

1955年東京生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業。三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。83年同行を退職後、早稲田大学大学院経済学研究科修士課程入学(86年修了)、仏リヨン経営大学院留学、米スタンフォード大学フーバー研究所Visiting Scholar。89年三和総合研究所主任研究員、2000年同投資調査部長兼主席研究員、07年三菱UFJ証券参与、景気循環所長を経て現職。主な著書(共著を含む)に『これから日本は4つの景気循環がすべて重なる。ゴールデン・サイクルⅡ』(東洋経済新報社、2013)、『太陽活動と景気』(日経ビジネス人文庫、10)、『先読み!景気循環入門』(共著、日本経済新聞出版社、09)、『ゴールデン・サイクル』(東洋経済新報社、06)がある。

戦後日本の国際協力と日本の課題

12月9日(金) 第4184回  東京大学東洋文化研究所教授  田中  明彦氏 ☆アジア平和貢献センター共催

戦後日本が行ってきた政府開発援助の実績は、日本外交にとっての資産であり、日本人が世界のなかで活躍する基盤となっている。具体的なプロジェクトにも触れつつ戦後日本の国際協力の歴史を振り返り、今後の課題を考えてみたい。

講師紹介

1954年生まれ。77年東京大学教養学部卒業。81年マサチューセッツ工科大学よりPh.D(政治学)。83年東京大学教養学部助手。84年同助教授。90年東京大学東洋文化研究所助教授。98年同教授。2002年から06年同所長。09年から12年東京大学副学長。12年4月から15年9月まで独立行政法人国際協力機構理事長。