トランプ政権のアメリカと中東情勢

3月24日(金)第4197回      酒井 啓子氏(千葉大学法政経学部教授)

トランプ政権の成立以来、アラブ諸国の反米意識を喚起しかねない方針が次々に提示されています。中東諸国からの入国一時禁止、在イスラエル米国大使館のエルサレム移転などがそれです。今年の中東情勢と対米関係を論じます。

講師紹介
1959年生まれ。82年東京大学教養学部(国際関係論)卒業。アジア経済研究所入所。86年在イラク日本国大使館専門調査員、95~97年在カイロ海外調査員(カイロ・アメリカン大学)。アジア経済研究所参事の後、東京外国語大学大学院教授を経て現職。主な著書に『中東から世界が見える』(岩波書店、2014年)、『<中東>の考え方』(講談社、2010年)、『イラク—戦争と占領』(岩波新書、2004年)、『フセイン・イラク政権の支配構造』(岩波書店、2003年)など。

歴史を考える

3月17日(金)第4196回          出口 治明氏(ライフネット生命会長)

歴史とは過去の出来事を正確に再現する試みですが、資料の不足など様々な要因で正確な再現が阻まれます。そこで、人文科学や自然科学の方法が駆使されます。その意味で歴史は総合科学なのです。本日は歴史について考えます。

講師紹介
1948年生まれ。京都大学を卒業後、72年に日本生命に入社。企画部や財務企画部で経営企画を担当するとともに、生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2006年生命保険準備会社を設立し、代表取締役社長に就任。08年生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命を開業。主な著書に『「全世界史」講義Ⅰ、Ⅱ』(新潮社 2016)、『人生を面白くする本物の教養』(幻冬舎新書 2015)、『生命保険とのつき合い方』(岩波新書 2015)、『仕事に効く教養としての「世界史」』(祥伝社 2014)、『生命保険入門』(岩波書店 2009)などがある。(ご家族も参加可能です

世界経済の潮流と日本経済の行方

3月10日(金)第4195回           熊谷  亮丸氏(大和総研チーフエコノミスト)

米国のトランプ大統領の政策を巡る不透明感が広がっています。今後、トランプ政権はどこに向かうのか?中国経済はどうなるのか?世界経済の潮流を踏まえた上で、日本経済や金融市場の展望について多面的に考察します。

講師紹介
1966年生まれ。筑波大学付属高校を経て89年東京大学法学部卒業。日本興業銀行(現みずほFG)入行。東京大学大学院政治学研究科修士課程修了、調査部などを経て2007年大和総研入社。10年以来チーフエコノミスト。著書に『パッシングチャイナ-日本と南アジアが直接つながる時代』(講談社、13)、『消費税が日本を救う』(日経プレミアムシリーズ、12)、『世界インフレ襲来』(東洋経済新報社、11)など。

安倍超長期政権の行方

3月3日(金)第4194回   歳川  隆雄氏(インサイドライン編集長)

無理難題を承知でトランプ米大統領は「トランプ砲」を相次いで撃ち込んでいます。2月10日、11日両日の安倍・トランプ会談から1カ月弱、トランプ政権の次なる「標的」は何なのか。---通商・貿易政策での対日要求はますます強まって来そうです。日本の自動車貿易に始まり、日銀の金融緩和政策、財務省の通貨安政策批判まで、その矛先はエスカレートしています。今後の日米同盟関係はどうなるのでしょうか。一方、内政に目を転じますと、国会での予算審議は野党の追及材料・迫力不足で安倍政権は微動だにしません。衆院解散・総選挙の時期が今秋以降に遠のいたことから、当面の焦点は天皇陛下の生前退位を実現する特例法国会提出、衆院の区割り決定、そして夏の都議会選挙です。「小池劇場」の演出・主演の小池百合子知事が目指すものは何か。今春政局の見立てをお話しします。

元医師だった父の上手な平穏死

2月24日(金)第4193回   久坂部 羊氏(医師、作家)

長生きを目指すのもいいですが、その先には死があります。そこから目を背けたことで、一度しかない死に失敗する患者を多くみてきました。上手な最期を迎えた父をサンプルに、死ぬための知識、情報をお話しします。

講師紹介
1955年生まれ。大阪府立三国丘高校を経て大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部付属病院で外科、麻酔科を研修。その後、大阪府立成人病センター、神戸掖済会病院勤務を経て、サウジアラビア、オーストリア、パプアニューギニアの在外公館に医務官として勤務。2003年に『廃用身』で作家デビュー。『破裂』、『悪医』(第3回日本医療小説大賞受賞)など出版。現在は健診センターで非常勤医師として働いている。主な著書として、上記以外に『人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期』(2014、幻冬舎新書)、『日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか』(2007、幻冬舎新書)、『呆然!日本大使館-外務省医務官の泣き笑い駐在記』(2002、徳間書店、久家義之名義)がある。

 

2017年日本経済の展望と課題

2月17日(金)第4192回       小峰 隆夫(法政大学大学院政策創造研究科教授)

日本の景気は緩やかに拡大していますが、トランプ新大統領の政策展開など不透明な面も大きく、財政・金融政策も難しい舵取りが不可避です。2017年の日本経済について、景気動向や中長期的な政策課題について考えます。

講師紹介
1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業。同年経済企画庁入庁。93年経済企画庁調査局内国調査第一課長、97年経済研究所長、99年経済企画庁調査局長、2001年国土交通省国土計画局長、03年法政大学教授を経て現職。主な著書に『日本経済に明日はあるのか』(日本評論社、2015)、『日本経済論の罪と罰』(日本経済新聞出版社、2013)、『政権交代の経済学』(日経BP、2010)など。

 

波乱の朝鮮半島-朴大統領の弾劾と日韓関係の行方、そして北朝鮮のICBM

2月10日(金)               コリア・レポート編集長   辺 真一氏

国会で弾劾された朴槿恵大統領は弾劾されるのか?解任されれば次の大統領は誰がなるのか?その結果、慰安婦合意はどうなるか?一方、北朝鮮はICBM発射を示唆、今回は軍事衝突に発展するのか。これらの問題を分析します。

講師紹介
1947年東京生まれ。明治学院大学文学部英文科。10年間の新聞記者生活を経てフリージャーナリストに。1982年、朝鮮半島問題の専門誌『コリア・レポート』を創刊。海上保安庁政策アドバイザー、沖縄大学客員教授など兼務。

ヨーロッパはどこへ行く

2月3日(金)   アジア平和貢献センター共催シンポジウム

<問題提起>      早稲田大学教授    縣 公一郎氏

<基調報告>     フェリス女学院大学教授 上原 良子氏

                  東北大学名誉教授   田中 素香氏

                            早稲田大学教授      福田 耕治氏

 ヨーロッパの統合という歴史上初めての現象は、グローバリゼーションの当然の成り行きであり、統合の条件が世界でももっとも備わったヨーロッパに最初に表れたものと見られていた。したがって、人類社会は、それぞれの地域の特殊性に応じて、何らかの地域的超国家組織を形成していくのではないかとの予測の有力な材料と考えられていた。
 ところが最近、そのような予測に水を差す出来事が起こった。イギリのEUからの離脱決定である。この出来事は、他の国々にも影響を及ぼし、EUは崩壊するのではないかとの予測をも喚起することになった。
 私どもアジアに属する民族にとっても、これを単なる別地域の出来事として看過することはできない。なぜなら、ヨーロッパ統合が単にヨーロッパだけの現象ではなく、ヨーロッパに先行的に表れた人類自然の成り行きとすれば、アジアにおいても何らかの超国家組織の形成を考えなければならないが、その実験が失敗したのだとすると、国境が低くなっていく中で国と国との間の利害を調整する別個な方策を考えなければならないからである。
 そのためにはまず、今回のイギリスのEU離脱という出来事が、例えばEU政治の不備といった特定原因に基づく一時的現象なのか、そもそも地域的超国家組織は無理なのだという本質的な現象なのかを見極めなければならない。それには、この現象を歴史的、経済的、政治的といった各方面から分析することが必要である。このたびのシンポジウムはまさにそれを意図したものである。

 

トランプ大統領と日本

1月27日(金)第4189回        福山大学客員教授    田中 秀征氏

トランプショックが続いています。トランプ大統領の出現に世界、特に日本はほとんど準備をしてきませんでした。英国のEU離脱の時もそうでした。“トランプ現象”をどう捉え、日本はどう対応すべきか、今回は私見を述べてみます。

講師紹介
1940年長野市生まれ。東京大学文学部西洋史学科、北海道大学法学部卒業。83年衆議院議員当選。93年新党さきがけを結成、代表代行。細川政権で内閣総理大臣特別補佐。96年橋本内閣で経済企画庁長官。99年民権塾を開塾。著書に『落日の戦後体制』(くま文庫、2010)、『判断力と決断力』(ダイヤモンド社、06)、『日本リベラルと石橋湛山』(講談社、04)、『梅の花咲く ―決断の人・高杉晋作』(講談社文庫、02)、『舵を切れ ―質実国家への展望』(朝日文庫、00)。

 

欧州懐疑派の台頭に揺れるEUの2017年展望

1月20日(金)第4188回      慶應義塾大学法科大学院教授  庄司 克宏氏

 

英国のEU離脱、米国のトランプ大統領当選により、欧州懐疑派政党の勢力が台頭する中で、2017年にはEUの創立メンバーである蘭仏独で国政選挙があります。その結果によるシナリオを想定し、今後のEUを展望します。

講師紹介
1957年生まれ。80年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。83年同政治学科卒業。85年同大学院法学研究科修士課程修了。90年同博士課程単位取得退学。二松学舎大学専任講師、同助教授、横浜国立大学大学院助教授、同教授を経て現在、慶応義塾大学法科大学院教授(Jean Monnet Chair)。1996~97年 ケンブリッジ大学客員研究員、2001年欧州大学院客員研究員。主な著書に『EU法-基礎編』(岩波書店、2003)、『EU法-政策編』(岩波書店、2003)、『欧州連合-統合の論理とゆくえ』(岩波新書、2007)がある。