編集後記2012年2月号

 苗字からそうなのだと言われればそうかと思いますが、神野直彦さんは代々、浦和の神社の家系で、おかげで立派な井戸が残っているほか、庭の木も切れないのだそうです。どうしても不都合なら掘り起こしてどこかへ移さなければならない。水とか樹木は神仏からいって何より神聖なものですからね。経済学者としてスウェーデンに惚れ込んでこられたのは森と水の国だから、というのは牽強付会ですが、ひょっとして…。
 日銀・FRBウォッチャーとしてデビューしてはや20年。とはいえまだ40代半ばの加藤出さんは顔つきも行動も年齢以上に若々しいというか、フットワークがいいというか、金融の世界に閉じこもるようなところがないオールラウンドエコノミストの感さえあります。巧まざるユーモアも講演を楽しませてもらえる貴重な要素です。3ヵ月の上海生活で中国語も少々勉強したとか。
 一方、政治評論の世界に入って間もなく40年の森田実さん。この間の政治の劣化には腹の立つことばかりのようで、全国へ日本が危ないという危機感にあふれた講演の旅が続きますが、政局の動向から政治の「べき論」へ話は常に舞い戻ります。講演速記を綿密にチェックし詳細な修正を加える点でも倶楽部講師中の最右翼です。
 次号は藤本隆宏氏(グローバル競争下のものづくり現場)、佐々木毅氏(民主政と市場経済)、嶋中雄二氏(内外経済の展望)、辺真一氏(金正恩世襲体制と日本)の予定です。