編集後記 2012年6月号

 スタンフォードの博士課程で政治学を学び、大蔵省から学者の道に転じてからもう13年の竹中治堅さんは、今や押しも押されぬ有力学者ですが、なんといっても40代そこそことあって親父のような世代の多い経済倶楽部会員を前にするとそれなりに緊張感があるようで。今回は原稿チェックが校了ぎりぎりで危ないところでした。
 気鋭の経済学者と呼ぶにふさわしいのが若田部昌澄さん。話はいつも極めて明快で、日銀に対しても歯切れのいい批判を展開されます。石橋湛山賞受賞者の中でも石橋さん的な経済理論を展開する最右翼の存在で、確かに石橋さんだったら今の金融政策には×をつけるでしょう。
 ますます油の乗った感のある山田昌弘さんの活躍ぶりですが、時代を切り取るキーワードを考え出す才能はご立派です。講演では冗談連発の気配ですが会員が笑い損ねてしまう場面がしばしば。でも原稿には(笑)が随所にあります。奥様はかつて東洋経済で仕事をされていました。
 立て板に水の話しっぷりといえば小林和男さんの右に出る人は少ないですが、しゃべることが商売のNHK出身ですから当然かも。音楽大好きでロストロポーヴィッチ夫妻やゲルギエフとも極めて親しい仲です。ロシア音楽特集だった今年のラ・フォル・ジュルネ(東京)もはしごして堪能されたとか。

 次号は矢吹晋氏(中国の権力闘争)、田中弘氏(IFRS=会計戦争)、寺島実郎氏(日本の進路)、平田竹男氏(なでしこジャパン論)です。