編集後記 2012年9月号

 経済倶楽部の常連講師でパソコンを使わないお一人が松本健一さんです。ですから連絡にeメールは使えません。速記を編集した原稿のチェックもプリンターで印刷したもの80枚ほどを郵送して、送り返していただきました。これはまた、資料を渉猟し、世界の現場を歩き回ることであれほど膨大な著作や多くの座談や講演が成り立っていることを意味してもいるわけです。もちろん原稿はすべて手書きです。
 学生時代から経済学が趣味だった河野龍太郎さんは趣味が長じて今や日本を代表するエコノミストの一人。日銀審議委員に指名されながら、金融緩和より財政再建を力説してきたことで緩和派国会議員の賛成を得られず白紙に。審議委員で活躍されるのも結構ですが、発言を縛られずにすんでかえって良かったかも(窮屈なポストですから)。講演冒頭の人事がらみの話はすべてカットと相成りました。
 上司である拓殖大学総長渡辺利夫さんも舌を巻く呉善花さんの話に講演会場は笑いの連続でした。韓国にとっては腹の立つ著作の数々によりブラックリスト入りで永く母国へ入れませんでしたが、政権交代でようやく可能になった由。日本に帰化した今、竹島問題の緊張高まる余波でまた国賊扱い・出入り禁止とならなければいいのですが。
 次号は浜矩子氏(国々は国境なき時代をどう生き抜くか)、星浩氏(決められない政治から脱するには)、石弘光氏(消費税増税をどう考えるべきか)です。