編集後記 2011年6月号

 経済倶楽部80年の歴史で書家による講演は初めてでしょう。書の世界を平易かつ面白く語るのは至難でしょうが、見事に熱演された杭迫柏樹さんは、日展の特選や総理大臣賞が再三という実績に加え08年、芸術院賞という栄誉に輝いた大家。なのに謙虚で腰が低く、相手を包み込むような温かさに加えて、気に入らなければ何百回でも書き直すという体力、気力にも敬服させられます。

 震災復興構想会議の人選はいささか首をひねるところがありますが、飯尾潤さんの部会長就任には大いに期待したいところです(ただしその部会のほうも経済畑が河野龍太郎さんだけとは頼りない限り)。
ともあれまだ40代の政治学者として将来が嘱望されているだけに、さらに活躍の場が広がることになりましょう。講演当日が多忙になる直前というのも幸いでしたが、いつもの早口は自戒された割に変わり
ありませんでした。

 石橋湛山賞を受賞されてから、同新人賞の選考委員、石橋湛山記念財団の評議員と、財団とのかかわりが増えた藤原帰一さん。石橋さん、三浦銕太郎さんゆかりの財団、東洋経済、経済倶楽部三者の企画にはみな気分良く参画していただけます。しかし何より楽しそうなのは映画の話で、先日もNHKで「ローマの休日と赤狩り」をたっぷり論じられて聞き応え十分でした。

 次号は中林美恵子氏(日米の予算編成)、猪口孝氏(信長、徳川と現代政治)、歳川隆雄氏(大震災と菅政権)、吉崎達彦氏(大震災と日本経済)です。