編集後記 2018年11月号

【編集後記】 米中貿易戦争について、専門家の間では、現状の実力の差から、現時点では遠からず中国が屈服するだろうという見方が圧倒的でした。しかし、こうした見方は政治体制の違いを軽視しているように思われます。民主国家である米国においては、中間選挙に向けて派手なパフォーマンスを繰り広げるトランプ氏が喝采を浴びていますが、やがて必要な中国製品を高く買わされる米国の市民や企業、そして中国向けの輸出が減少する穀物や畜産業者からの批判が高まるでしょう。一方、中国は習近平氏の独裁国家です。政府批判など起こりようもありません。米国からの輸入は他の国に代替され、米国向け輸出はそれほど減らず、そしてIT産業は膨大な国内市場を独占して一層成長するでしょう。
次号は、飯尾潤氏「ポピュリズム時代の日本政治」、野口悠紀雄氏「AIの可能性と限界」、唐鎌大輔氏「欧州の経済・金融・政治の現状と展望」、湯浅卓氏「米国の中間選挙・トランプ弾劾・日米貿易摩擦を読む」を掲載予定です。