トランプ政権の誕生で最も注目される外交上の焦点の一つが朝鮮半島情勢です。日本では尖閣諸島が日米安保条約の対象に含まれるか否かといった相も変わらぬ内向きの議論がマスメディアを賑わしています。しかし、国防長官や国務長官がこの件について明言した背景には、トランプ政権が目指す対中戦略変更の意図が見え隠れしています。就任前から「一つの中国」に疑問を投げかけて台湾総統と電話会談を行い、就任後は中国の対米黒字や元安誘導を声高に非難しています。そしてマティス国防長官は訪日前にまず韓国を訪れて対北朝鮮の軍事同盟の強化を印象付けました。北朝鮮に対して期待される影響力を何ら発揮できないでいる中国に対する米国の姿勢は明らかに前政権とは違うものになるでしょう。これに対して恫喝によって譲歩を引き出す北朝鮮の戦略も変わらざるを得ません。中国と北朝鮮を巡る緊張をどう読めばいいのか。おなじみの辺さんに解説していただきます。

*中部経済倶楽部 2月の定例講演会は22日(水)が富坂聰・拓殖大学教授。3月は1日(水)が元読売新聞社会部長で作家の清武英利氏、28日(火)が飯田泰之・明治大学政経学部准教授です。ご都合のつく方はご参加ください。

*映画鑑賞会 2月10日はオードリー・ヘップバーン主演の『シャレード』です。上映時間は113分。