高齢化社会を迎えた今の日本において最も必要とされているのが「上手な死に方」ではないでしょうか。確かに医学の進歩によって、新しい治療法が次々に開発され、人間の寿命はかつて考えられなかったほど長いものになりました。しかし、高齢化は佐藤愛子さんが近著で喝破されたように、決してそれ自体が手放しで目出度いことではありません。肉体が次第に衰えていく中で、自らの尊厳を保ちながら平穏な死を迎えるためにいかに良い生を全うすればよいのか。生にしがみつくのではなく、自らの生をまっとうするための心構えを、自らの責任において選択する覚悟がもとめられているのではないでしょうか。本日は医師であり、作家でもある久坂部先生に「上手な平穏死」について語っていただきます。

*中部経済倶楽部 3月の定例講演会は1日(水)が元読売新聞社会部長で作家の清武英利氏、28日(火)が飯田泰之・明治大学政経学部准教授です。ご都合のつく方はご参加ください。

*映画鑑賞会 2月24日はケーリー・グラント主演の『夜も昼も』です。上映時間は128分。