中国は国家主席の任期の制限を取り払って、実質的に習近平政権の独裁体制の固定化の道を開きました。これまで、一党独裁であっても定期的なトップの交代によって体制刷新の道が開かれ、個人崇拝の弊害から免れていた中国が再び個人崇拝の習王朝へと変貌することは、この大国を将来にわたって安定させるどころか、新たな混乱へと導くでしょう。腐敗撲滅を武器に権力を掌握した習近平ですが、彼個人の資質や力量の如何に関わらず、政権の長期化と権力の集中そのものが、政権の腐敗と政策の歪みをもたらすに違いありません。その実例は人類の歴史をひもとけば枚挙にいとまがありません。統治者としてそのことに思いが至らない習近平はやはりトップとして見識と知恵を欠いた愚かな人間でしかなかった言わざるを得ません。本日は国家としての中国の実像とその未来を、川島先生に解き明かしていただきます。

中部経済倶楽部3月の定例講演会は14日(水)が澤上篤人・さわかみホールディングス代表の「ここからの投資をどう考えるか」です。ご都合のつく方はご参加ください。
*映画鑑賞会 3月まで「溝口健二特集」を行います。9日は溝口健二監督、森雅之、田中絹代主演による『武蔵野夫人』です。上映時間は88分。午後2時40分頃から開始します。