米国のトランプ政権はこれまで良識派と目されてきたティラーソン氏やマクマスター氏を更迭し、元CIA長官や対外強硬派で知られる人物を後任に据えました。しかし、ビジネスマンを自認するトランプ氏にとっては、こうした一連の人事や政策の発動は、一定の思想信条に基づくものではなく、もっぱら自身の利害に基づく行動と考えるべきかもしれません。一見突飛に見える言動も、自らの支持者たちへの約束の履行であると考えれば納得のいくものです。その証拠にどんなにメディアに叩かれようが、コアとなる支持者はトランプ氏を離れていないからです。その一方で、米国の大統領に就任した後も、米国民全体の大統領になろうとする意識は全くないようです。その点は、見事に一貫しています。たとえ、その言動が米国全体の利益を損ない、世界の安定と発展を阻害するものであろうと、何の痛痒も感じないようです。本日は渡部恒雄さんに、トランプ政権がどこに向かうのかを見通していただきます。

中部経済倶楽部 4月の定例講演会は12日(木)が佐治信行・三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストの「ここからの内外経済見通し」、25日(水)が中岡望・東洋英和女学院大学客員教授の「米国政治の現状と展望」です。ご都合のつく方はご参加ください。

*映画鑑賞会 4月からしばらくは「小津安二郎」特集です。第1回目の6日は代表作である「東京物語」。主演は笠智衆、東山千栄子、原節子、杉村春子など。上映時間は135分。午後2時40分頃の開始を予定しています。