読書通信2022年12月号

■ 経済倶楽部で私の在任中に宇沢弘文さんに2度ほど講演していただいた。個人的には良い思い出である。宇沢さんが亡くなって8年、佐々木実『今を生きる思想 宇沢弘文』講談社現代新書、880円)はコンパクトだが内容の濃い良書と思う。何よりまずシカゴ学派との対決から始まり、新古典派経済学への異議申し立て、水俣や三里塚における正義感の発露、『自動車の社会的費用』に象徴される宇沢経済学の全貌など、学問的に筋を通しつつ新境地を切り開いていったその一生が生き生きと語られる。
宇沢さんの「志」がどこにあったのか、あれほど強靭な意志の力が発揮され続けたのはいかにして可能だったのかを知るに最適の書である。城山三郎賞などを受賞した同じ著者の『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』を読んだ人も未読の人も、本書によって経済学の地平と人間の生き方とを学ぶことができるだろう。
■ 同じ版元で恐縮だが、とても良い本なので近藤大介『ふしぎな中国』講談社現代新書、990円)を。中国で今、はやっている34の新語や流行語を解説しているのだが、いずれもみな面白く、現代中国の諸相を切り裂いて中国理解に好適な教科書である。例えば「社恐」。会社が怖いのではなく社交つまり人付き合い恐怖症のこと。なんと中国の若者の6割が該当するという。「白衛兵」は紅衛兵のもじりでゼロコロナ下に白い防護服の公安が家に入り込み消毒液をまき散らしピアノも家具も使い物にならなくする横暴への批判だ。権力や社会を皮肉る中国人のセンスもなかなかのもので、大いに参考になる。 続きを読む »

読書通信2022年11月号

■ 「為政者は間違え、代償は庶民が払う」の副題を見て買い求めた。栗原俊雄『戦争の教訓』実業之日本社、1760円)は日本が勝ち目のない戦争に突っ込んでいった迷走の足跡が主題である。石油と鉄(原料屑鉄)の9割以上を米国からの輸入に頼りながら対米開戦へと突き進む当時の為政者たちが悲劇というより喜劇役者のように見える。1941年6月、日本の仏印進駐を受けて米国は石油の対日禁輸に踏み切ったが、日本政府には青天の霹靂だったとは驚きだ。禁輸の可能性を皆無と見ていたとは…。それでもなお半年後には戦争を始めている。終戦交渉でも為政者の浅慮が続く。希望的観測ばかり用意してみたり、ソ連に仲介を持ちかけたり。敗戦1カ月前、面会要求がやっとかない佐藤尚武駐ソ大使がモロトフ外相の部屋に入ったとたんに宣戦布告を読み上げられた一幕など、笑うに笑えない。世界の常識から遠いところにあったかつての日本を改めて振り返り、為政者は常に間違えることを胸に刻み込むことはいつの時代にも必要なことである。
■ 続いて昭和史を裏面からのぞいてみることにした。手に取ったのは黒井文太郎『謀略の昭和裏面史』宝島社新書、990円)である。事件の裏には常に謀略があったことが、次から次へと描かれる。関東軍の謀略の背後に大陸浪人と帝国陸軍がいたことは当然として、彼らの動きを詳細に知ると、謀略を防げるとしたら天皇くらいしかなかっただろうと思えてくる。戦後は戦後で昭電疑獄、下山事件、三島由紀夫自決、ロッキード事件などGHQと右翼、自衛隊が絡み合った事件が頻発した。人物では岸信介、中曽根康弘、児玉誉士夫、笹川良一、瀬島龍三などが登場してきて、改めて知ることも少なくなかった。もはや歴史となった数々の事件がそんな単純なものでなかったことは頭に入れておく価値があると思うことしきりである。 続きを読む »

読書通信2022年10月号

■ アベノミクスの「三本の矢」は実は0勝3敗だったのではないか。日銀に延々とゼロ金利政策を続けさせ公的債務に対する歯止めをなくした罪と罰だけでも十分に重い。と思っていたところへ河野龍太郎『成長の臨界』慶應義塾大学出版会、2750円)を頂戴した。500ページの大著のためもあり読み始めるのが遅くなったが、期待を裏切らぬ力作だった。
第1にテクニカルな経済分析にとどまらず思想的・歴史的に深く掘り下げられている。第2に金融・財政論にページが割かれるのはもとよりとしてグローバリゼーション、分配論、雇用システム、ICT革命、企業論、環境問題、果てはコモンズからコミュニティへと驚くほど思索は広がり読み応え十分だ。第3に社会科学の統合的アプローチが主張されていて説得力に富む。とはいえやはり現下の金融政策批判、公的債務膨張の追及は圧巻で、消費税の小刻み引き上げなど傾聴に値する具体案が展開される。
■ 上野千鶴子さんの『在宅ひとり死のススメ』のせいか自宅でぽっくり死にたいという友人が増えている気がする。筆者も昔、両親を自宅で看取り、今は自分もそうありたいと思うことしきりである。だが小島美里『あなたはどこで死にたいですか?』岩波書店、2310円)を読んで考えさせられた。著者は永年、介護に関わってきたプロで、登場する老人たちの事例は介護する側、される側、いやはや大変である。
というのも歳をとると認知症の比率が劇的に高まるからだ。介護サービスを受ければいいではないかと思いがちだが、ことはそう簡単にはいかない。介護保険は認知症患者には使い勝手がまことに悪いのだという。著者は、厚労省の責任を含め現状を厳しく追及するとともに、介護制度をどう改善したらいいか提言している。これは高齢者だけの問題ではない。介護側の中年世代にとっても貴重な内容にあふれている。 続きを読む »

読書通信2022年9月号

■ 日本の国力低下が著しいが、その原因の一つに科学研究力の凋落があるのは間違いない。大学も研究機関も中研も予算難で定員や研究費は減る一方だ。そんな惨状を共同通信社取材班『日本の知、どこへ』(日本評論社、1980円)は詳細に取材し、問題の所在を明らかにする。本書からは、大学予算を減らしてきた文科省の責任もさることながら、その後ろで予算削減を主導し、ノーベル賞学者や大学学長たちの説得にも聞く耳もたぬ財務省幹部の姿が浮かぶ。
小泉改革の頃から「大学間、研究者間の競争が足りないから成果が上がらない」のだとする新自由主義的な政策が浸透し始めたのが致命的だった。要するに予算を立てる側(政治家、役人、経営者)の懐具合と思いつきに日本の科学研究が振り回されてきたのだと記者たちは断言してはばからない。ことは国や経済社会の根幹に関わる。そして軌道修正するに残された時間はほとんどない。本書の報告と危機感は貴重である。
■ ひと晩で10万を超える命を奪った東京大空襲。その指揮官はカーティス・ルメイだった。彼の前任の航空隊指揮官だったヘイウッド・ハンセルは爆撃機に安全な高高度で日本上空を飛行させ搭載した精巧な照準器で軍需工場を精密爆撃しようとするが、強い偏西風と曇天に阻まれ惨憺たる結果しか残せなかった。マルコム・グラッドウェル『ボマーマフィアと東京大空襲』(光文社、1870円)はこの2人を主人公にしたドキュメンタリーとして抜群に面白い。
ルメイは夜間、B29に低空で帝都に侵入させ、延焼力、殺傷力の強いナパーム弾を大量かつ無差別に投下することで大戦果を挙げた。かくして一方は英雄、一方は失意の人となる。だが一般人の無差別殺戮は戦争ならば許されるのか。空爆のあり方、兵器の許容範囲とは、そして戦争とは。今、改めて思いは広がってやまない。 続きを読む »

読書通信2022年8月号

■ ドラッカーはもちろん経営学者だが、経営学者という以上に、もっとスケールの大きな学者だった。そうでなければ没後17年になってもその業績がこれほど繰り返し深掘りされることはないだろうと感じる。経営学は奥が深いともいえるが、それ以上に「さすが」と思うことが多い。そしてまた佐藤等『ドラッカーに学ぶ人間学』致知出版社、1760円)が刊行された。未来を切り開く組織のために、組織の文化が花開くために、人が組織の中で最高の仕事をするために。そんな問題提起で本書は編集されている。気に入った箴言は多々あるが、「これからは、とくに秀でた才能もない普通の人たちが、自らをマネジメントしなければならない」は至言である。知識労働者は自ら考え、決定し、行動しなければならない。ドラッカーは明治維新と戦後復興をとくに賞賛した。今の日本を見たらきっと落胆するだろう。今こそ個の確立こそが求められているのに、指示待ち、横並びは相変わらずだ。終章「日本の強みを生かしてポストコロナの社会を再生する」もタイムリーである。
■ 日米関係を重視していく路線に異論はあまりないだろう。だが日米地位協定を今のままにして日米関係は強固でありうるのだろうか。基地をめぐる日米不平等協定をこのままにして、基地提供側の不満はいずれ臨界点に達するのではないか。山本章子・宮城裕也『日米地位協定の現場を行く』岩波新書、990円)はその意味で示唆するところ大の貴重な書である。著者たちは三沢基地、首都圏の米軍基地、岩国飛行場、築城基地、新田原基地、馬毛島、嘉手納基地の周辺を歩き回り、住民たちがどんな思いで生活しているか、事故の時の米軍の言動はどうだったか、など調べ上げていく。その不平等性は占領軍並みであり、憲法で認められた基本的人権を下回ると言って過言ではない。本書の問題提起を、基地から遠く住む人々みなが重く受け止めることが求められていると思う。 続きを読む »

読書通信2022年7月号

■ 世界は今いろいろな意味で危機にある。自然破壊などの地球環境、絶滅危機に直面する動植物、パンデミックや貧困に苦悩する人類。地球温暖化だけ言っていればいいというものではない。ジェーン・グドールほか『希望の教室』海と月社、1760円)で取り上げられる「危機」は多岐にわたりかつ多彩である。共著者ダグラスの絶妙な話の引き出し方にグドール博士が見事に応えて本書は構成される。
グドールはチンパンジーなど動物行動学の第一人者で、世界を歩き回って調査研究してきた。87歳の今も各国で講演するスーパーウーマンである。その見聞録、体験談はとても面白く、説得力に富む。書名からは希望の持ち方の授業かと思われそうだが、それより彼女が将来に希望を捨てない理由が主テーマで、理由は「人間の知力」「自然の回復力」「若者の力」「人間の不屈の精神力」の4つ。「一緒ならできる、一緒にやろう」がグドールのメッセージで、ほんとに若々しい。我らも負けてはいられない。そう思った。
■ 昔から全体主義は苦手だ。ヒットラー、スターリン、東条英機。全体のため個が否定される社会だけは住みたくない。というわけで適菜収『ニッポンを蝕む全体主義』祥伝社新書、924円)が書店ですぐ目に飛び込んできた。出だしは「全体主義は近代人がかかる病」と「大衆が指導者を生み出す」。確かにそうだ。
前半はオークショット、フロム、アレント、トクヴィルはじめ多くの言説を丁寧に紹介しつつ、全体主義は大衆の所産であることを繰り返し論じていく。まさにポピュリズムであり、歴史的にも大いに啓発される。ところが後半は一転、維新の会(とくに橋下徹)と安倍晋三批判の部分では著者のボルテージが急上昇する。こうして整理されると、彼らの暴言がなぜ看過され続けてきたのか首をかしげざるをえない。全体主義の萌芽はすぐ足元にあることを知る。 続きを読む »

読書通信2022年6月号

■ 経営は科学だ、「野性」などなんで必要なのか。大抵の人はそう考えるだろう。実際、多くの企業がPDCAにこだわっているが、野中郁次郎ほか『野性の経営』KADOKAWA、1980円)によれば、この科学的管理手法は人を指示待ちにし、創意工夫しなくなるという。著者が主張する経営学は株主価値最大化に代わり、人々がアニマル・スピリットによって互いに共感し感動する「野性的」企業家魂である。
本書の最大の魅力は理論と物語が一体となっている点にある。物語とはタイ北端の麻薬地帯ドイトゥンをコーヒー産地として蘇らせたクンチャイという稀有の人物の壮絶な戦いを詳細に描いたドキュメンタリーであり、これこそが「野性の経営」なのだと読み進めば腑に落ちるはずだ。マンネリ経営から抜け出すに益するところ大の貴重な経営学を学んでみよう。パソコンをにらんで終日、仕事をしている(つもりの)ビジネスパーソンには目からウロコの啓示がある。
■ アマゾンやユニクロの潜入記は大変な苦労があったと思うが、今度はもっと大変だったろう。何しろ米国で1年間も、トランプ支持の赤い帽子とTシャツ姿で共和党のボランティアを装って家々を訪れ、トランプ信者の本音を聞き出そうというのだから。横田増生『「トランプ信者」潜入一年』小学館、2200円)はそのようにして米国の深部をえぐってみせる。歩き回り続けて足を痛めてしまい、議事堂襲撃事件のときには身の危険を感じ防弾チョッキまで着て現場に入り込み、インタビューを続ける。
トランプ信者の多くは、著者がトランプに不利な質問をすると、それはフェイクだと言下に否定しいっさい疑うことをしない。このようにして米国社会の分断が生じていることがよくわかる。これは過去形の報告ではない。2年後の大統領選では、共和党内はトランプ絶対優勢で、民主党には強力な対抗馬はいないそうだから。 続きを読む »

読書通信2022年5月号

■ コロナをめぐる「専門家」とウイルス学者の考え方の違いは甚だしい。評者は以前から後者の本に注目してきたが、宮沢孝幸『ウイルス学者の責任』PHP新書、1078円)の主題は「100分の1作戦」で、浴びるウイルス量を100分の1に減らせば感染は防げるという提唱は明快で本質を突いている。等閑視されてきた「ウイルスの量」を提起しているのが肝である。
まず換気、軽い手洗い、適切な(過剰でない)マスクで十分とされる。「無症状の人と濃厚接触しても感染するリスクはほぼゼロ」で、陽性でもウイルス量を考慮した対策をとるべきだったというのは決定的に重要である。結果的に「ウイルス学の常識を知らない医師たちの意見で国の政策が決められてしまった」と手厳しい。ワクチン接種も落とし穴があり「リスクとベネフィットを個人が考えて接種を決めればよい」。確かに。
■ 日本の産業も企業もマクロ経済も沈滞が続いて久しい。他国に謙虚に学ぶことと、個を確立して独自の強靭な供給力を作り上げることの両方が必要と思うが、原田泰ほか編著『学ばなかった日本の成長戦略』中央経済社、2310円)は前者に注目して多面的に分析を行っている。具体的には日本は先進国グループから脱落した平凡な国になってしまっているとの認識の下で、規制や制約を取り払い、企業は他の国々の成功事例に学ぶべきだとの認識である。
総論に続き雇用と経営の状況が批判的に論じられ、電機、情報サービス、自動車(EV、自動運転)、金融、観光などの産業が世界標準から取り残されつつある現状が俎上に載る。個々の分析にばらつきはあるが、総じて的確な指摘が多く、効率よく現状と課題を知ることができる。沈滞は制度、官の規制と自己規制、経営者、企業組織、消費者の性向などの複合要因だろうが、これを機に議論が深まることを期待したい。 続きを読む »

読書通信 2022年4月号

■ 福島原発事故が忘却の彼方という人は年々増えているのではないか。風化は日々進まざるをえない。だが石原大史『原発事故 最悪のシナリオ』NHK出版、1870円)は原発事故が過去の物語などでないことを教えてくれる。
本書は昨年3月に放送されたNHKのドキュメンタリー番組を踏まえスタッフが書き下ろした労作である。大震災当時、最悪のシナリオを想定してどう対策を進めるべきか、混乱する官邸は手が打てなかった。自衛隊の動きも緩慢で米国は米軍が前面に出ることさえ考えたが、それは「米軍占領下」となることを意味した。官邸、東電本社、自衛隊、米軍、福島原発現場の枢要な人々が当時を振り返ったインタビューは意外性に富み、早い時期に最悪シナリオの必要性を提起した(民主党の)政治家もいたことがわかる。本書から学ぶことはあまりに多い。大事故に直面し「想定外」などと言って「最悪の可能性」を追究しないのは日本の悪い癖である。
■ 世界で今、日韓関係ほど複雑で解きほぐしにくい二国間関係は少ないだろう。木村幹『韓国愛憎』中公新書、946円)は韓国研究の第一人者が自らの研究の日々を成果や苦悩の中に振り返るとともに、韓国の躍進と対日姿勢の変容の過程をたどる異色の日韓関係史である。この30年間の韓国社会の変貌ぶりは劇的で韓国が自信を深めるほど「韓日」関係は政治的に重要性を失うが、であればこそ社会は暴走して歯止めがきかなくなることがよくわかる。
「自分史」であるだけに少々まだるっこしく感じる部分もないわけではないが、とりわけ終章の「関係悪化の本格化」は明快で教えられることが多い。著者はしばしば「それであなたは韓国が好きなんですか」と質問されるという。それへの答え(それがわかれば苦労はしない)には笑ってしまった。まさに愛憎の半生記である。 続きを読む »

読書通信 2022年3月号

■ 著者が雑誌に永く連載してきた宗教論が一冊にまとまった。寺島実郎『人間と宗教』岩波書店、2200円)は世界宗教誕生からビザンツ帝国における一神教、そして近代日本の宗教までの幅広い話題と、宗教理解に貴重な視点が提供され大いに参考になる。そこには宗教者以上に宗教を深く追究し思索した成果がある。
世界の「宗教現場」に何度も足を運んだ実体験も興味深いが、日本人にとっての宗教という点から親鸞、日蓮、本居宣長、そして迫害のキリシタンたちをめぐる考察が評者には刺激的だった。その上で内村鑑三、新渡戸稲造などにおける「日本人の心の基軸」が今の時代に新たな重要性をもって浮かび上がるように思われた。著者は昨今の国家神道への回帰には警鐘を鳴らしているが、良くも悪しくも宗教が人と時代を動かしてきたこと、そしてこれからもそうであろうことを、我がこととして自問し続けることが求められていると改めて痛感させられた。
■ 有田八郎といえば都知事選で2度惜敗し、料亭「般若苑」の女将との仲を三島由紀夫『宴のあと』で描かれプライバシー裁判になったことでも知られる。とはいえその真骨頂は戦前の外交面での活躍にある。有田八郎『馬鹿八と人はいう』中公文庫、1100円)は風雲急を告げる日本外交を回想して読み応えがある。広田、平沼、米内内閣で外相を務めた有田は日独伊軍事同盟に異を唱え、日米開戦に否定的だったため右翼の暗殺リストに挙げられたほどだった。
戦中は早期戦争終結を求め上奏文を提出するなど努力を続けた。描かれる外交の内幕はドキュメンタリー風の面白さで、資料的価値も高い。書名は片山哲や風見章と憲法擁護国民連合を立ち上げたとき「グズ哲、ノロ章、バカ八に何ができる」と揶揄されたが「ソロバンに合わぬことをやるバカに世間からは見えたかもしれぬ」と言って怒りもしなかったところから。昨今まれな自分を客観視できる骨のある人物だった。 続きを読む »