編集後記2012年3月号
日本のものづくり研究の水準は際立って高いのですが、その中心にいるのが藤本隆宏さん。年初の講演をお願いしたら私ごときがと謙遜されましたが、予定時間を大幅に上回る熱弁で会員は大満足でした(ただし講演録はだいぶカットされています)。それにしても原稿チェックでもたいへんなご苦労をおかけしました。
年頭にふさわしいといえば、政治学の泰斗、佐々木毅さんも異論のないところでしょう。昨年末には学士院会員に選ばれたばかり、そのお祝いを司会で申し上げるべきところうっかり失念してしまいました。首相公選制や皇室典範など有識者会議での活躍も目立ちますが、後者では苦労が多かったようで。
景気の節目をどう判定するかは経済政策上、極めて重要ですが、遅滞なく的確に景気の山や谷を判断するテクニックはプロ限定です。嶋中雄二さんはそこに命を賭けて取り組んでこられた、景気循環学会のリーダーです。ご尊父の関係で、出版界にもおのずと顔が広い‥。
北朝鮮に詳しい学者は立場上、バイアスがかかることがあります。辺真一さんは辛口で利害関係からは一歩置きながら半島への思いも強い、信頼できるジャーナリストです。金正日批判が続いて北へは長期に入国できませんでしたが、金正恩も率直に俎上に上げているので、当分、事態は変わらないでしょう。
次号は伊藤元重氏(内外経済)、後藤謙次氏(政局見通し)、大武健一郎氏(日本の行方)、中岡望氏(米大統領選)です。