編集後記2012年5月号

 昔から俊秀の教授陣で知られる神戸大学ですが、三品和広さんも学内外から大きな期待のかかる逸材。大学生、院生と講義や共同作業を楽しむ日々が続きます。「戦略不在」シリーズの著作で構成をすべて三部、三章、三節にまとめられたのはお名前と関係あるのかないのか、聞きそびれました。魚料理、特に寿司がお好きとか。
 ケンブリッジで研究生活を送った小菅信子さんのライフワークは「和解」特に日英和解です。英軍捕虜の取材では並々ならぬ苦労があったようで、テーマは加害側と被害者の関係につながり、大震災・原発事故での問題意識へ広がります。講演前には緊張されたものの後は脱兎のごとき話の展開でした。競走馬のたくましさがお気に入りです。
 平櫛田中に師事した澄川喜一さんは、特に「そり」を作品のライトモチーフに名誉ある受賞を重ねて芸術院会員に。文化功労者でもありながら冗談が大好きな、いたって気さくな芸術家です。なお、講演の際の作品紹介でパワーポイント操作は理事長が担当しました。(笑)
 日経の証券畑で活躍を続けた前田昌孝さんにとって、日経センター主任研究員という肩書はちょっとこそばゆいところがあったかもしれませんが、あくまでジャーナリスト、コラムニスト的な視点からの仕事で貢献できればということで割り切っておられるようでもあります。
 次号は竹中治堅氏(日本政治)、若田部昌澄氏(日本経済)、山田昌弘氏(男女共同参画)、小林和男氏(ロシア)です。