編集後記 2012年8月号
新聞やテレビに出ないコンフィデンシャル情報を連発する歳川隆雄さんの情報源は興味津々ですが、情報源がわからないようにすることの重要さはインテリジェンス(諜報)活動に通じるものがあります。お得意は政官界の人脈図で今号にも収録しました(本当はカラーなのですが)。で、「チャーチスト」を自任しておられます。
映画の合間に国際政治学の研究、というのはジョークですが、無類の映画好きとして監督、俳優、スタッフなどの話になると止まらなくなる藤原帰一さん。『アエラ』の映評連載が終わったのがちょっと残念そうで。でも「これだけは今日しゃべりたかった」とユニークな切り口の講演を振り返ってご退出。
何度も経済倶楽部で講演されている三國陽夫さんですが、今回はついつい力が入ったのか、質問の時間がほとんど残りませんでした。もともと座談でも講演でもちょっと声が小さいきらいがあるので、聞き取りにくかった方はこの講演録で異色の論旨をじっくり追ってください。
逆に大声で明快にしゃべられたのが渡辺利夫さん。中国に対して政権がやるべきことをやらぬことへの不満、危機意識からつい声が大きくなります。核論議へのロードマップなど言いたいことはほぼ言い尽くされた感が。保守論壇での活躍により過日、正論大賞を受賞しました。
次号は松本健一氏(海岸線の現在―官邸から見えたもの)、河野龍太郎氏(日本経済の現状と見通し)、呉善花氏(日本復興の鍵「受け身力」)です。