編集後記 2013年4月号

塩田潮さんはペンネームですが、故郷の高知にふさわしい名前です。かつて魚を食べすぎてアニサキス・アレルギーになり、医者から命にかかわるとして厳禁されていたのですが、ほんとに久しぶりに禁食が解かれた由。多少気をつける点はあっても魚介類を楽しめる日が再来して、ついお酒も進んでしまう、ようで。
 ソウル生まれながら幼少時を神戸で過ごした金慶珠さんは完璧な日本語をしゃべります。名門の梨花女子大から東大の博士課程で学び、日韓の言語論、認識論を講ずる一方、日韓のメディア、特にワイドショーなどに活発に登場しています。そのためか芸能プロのホリプロに所属している珍しい学者です。
 自分の所属した山一と日債銀と証銀の二社が潰れたジョークを交えることの多い今井澂さんは、相変わらず講演で多忙です。そのための取材にアメリカへもしばしば出かけますが、その際、メトやNYフィルの音楽会も必ず楽しんでくる慣わしです。
 駐中国民間出身大使は最初で最後かもしれませんが、丹羽宇一郎さんほど中国各地を訪問して回った大使はいないのでは。言うべきことは率直に言いながら、日本ナショナリズムからは不都合な発言も多かったのは骨のある丹羽さんらしいところ。その一端を本誌でお確かめを。
 次号は中岡望氏(第二次オバマ政権)、三戸岡道夫氏(二宮尊徳と現代の経営)、川本裕子氏(アベノミクスの功罪)、原田泰氏(エコノミストの見た日本の政治)です。