事務局便り  2019.5.10

90年代以降の日本を、「失われた20年」、あるいは「失われた30年」と呼び、日本経済の停滞を論ずるたくさんの論や著作が世に出ました。中でも多くの日本人に衝撃を与え、高い支持を得たのが、2010年に出版された藻谷氏の『デフレの正体』です。長期化する日本のデフレの真因を少子高齢化と人口減少に求める考え方は、様々な議論を呼び起こしましたが、今後の日本を考えるうえで、世界に先駆けて少子高齢化と人口減少が進行する日本をどう捉えるかは、避けて通れない課題です。東アジアでは韓国や中国など、日本に続いてこの問題に直面しつつある国が存在します。日本を「課題先進国」とする議論もありますが、現状を正しく認識し、将来を冷静に分析することで、今後に向けた適切な処方箋を導き出すことが必要です。本日は、『デフレの正体』の著者でもある藻谷浩介さんをお招きし、人口減少によって激変する東アジアの2020年代について論じていただきます。

*事業所見学会 6月19日(水)に日本水産の八王子総合工場と東京イノベーションセンターに伺います。両施設では工場長、研究所長のご挨拶も予定しております。詳細は事務局まで。

*立正大学石橋湛山研究センター  この度、「石橋湛山研究第2号」が刊行になりました。ご希望の方は事務局まで。

*中部経済倶楽部 5月は15日(水)が曽我豪・朝日新聞政治部編集委員(会場は名古屋国際ホテル)。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会 本日はヴィンセント・ミネリ監督、スペンサー・トレイシー主演の「花嫁の父」です。

上映時間92分。午後2時40分頃開始します。

事務局便り  2019.4.26

平成天皇は、平成の時代が戦争のない時代であったことに言及されました。確かに日本は自ら闘うと言う選択をすることなく、30年間にわたって平和を享受してきました。しかし、厳密にいえば、日本は世界の戦争と全く関わってこなかったわけではありません。特にイラク戦争においては、日本は戦闘行為にこそ参加しませんでしたが、ブッシュ政権が主導した多国籍軍の一翼を担うことになりました。この戦争で米国の主張した大義が嘘八百であったことはすでに歴史的事実となっています。同盟国の要請に盲目的に従った責任について、日本政府は一片たりとも認めていません。第二次大戦の終結時に連合国が掲げた戦争と平和に関する理念は日本国憲法の中に盛り込まれましたが、日本人はその思想そのものを深く考えることをしませんでした。そして冷戦がはじまり、長い歳月を経て終焉し、世界はグローバル化の時代を迎えましたが、世界から戦争はなくなりませんでした。本日は21世紀の戦争と平和について三浦さんのお話を伺います。

*事業所見学会    6月19日(水)に日本水産の八王子総合工場と東京イノベーションセンターに伺います。詳細は事務局まで。

*立正大学石橋湛山研究センター  この度、「石橋湛山研究第2号」が刊行になりました。ご希望の方は事務局まで。

*中部経済倶楽部   5月は8日(水)が武者リサーチ代表の武者陵司氏、15日(水)が曽我豪・朝日新聞政治部編集委員(いずれも会場は名古屋国際ホテル)。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会    本日はウィリアム・キーリー監督、リチャード・ウィドマーク主演の「情無用の街」です。上映時間91分。午後2時40分頃開始します。

事務局便り  2019.4.19

90年代のバブル崩壊以後の日本経済は、一貫して低成長に甘んじてきました。小泉内閣時代と第二次安倍政権下では、二度にわたって長期に及ぶ景気拡大を実現しましたが、いずれも成長率は低く、共に実感の伴わない好景気とされました。世界的に見ても、先進国の中でも成長率は低く、経済大国としての地位は後退する一方になり、一人当たりGDPも多くの国に抜かれることになりました。GDPの成長を阻害している最大の原因は生産性が向上しないことです。企業が収益とバランスシートの改善にも関わらず新規投資に前向きでないことも問題ですが、それだけではありません。特に第三次産業やホワイトカラーの生産性の低さが際立っていることに日本経済の抱える問題が集約されています。どうしたら生産性の向上に向けてトレンドを転換させることができるのか。本日は熊野英生氏のお話を伺います。

*立正大学石橋湛山研究センター  この度、「石橋湛山研究第2号」が刊行になりました。ご興味のある方は事務局まで。

*中部経済倶楽部 5月は8日(水)が武者リサーチ代表の武者陵司氏、15日(水)が曽我豪・朝日新聞政治部編集委員(いずれも会場は名古屋国際ホテル)。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会 本日はヒッチコック監督、ロバート・ドーナット主演の「三十九夜」です。上映時間83分。午後2時40分頃開始します。

事務局便り  2019.4.12

安倍晋三首相が憲法改正と並ぶレガシーとしてこだわり続けてきた北方領土問題の解決は、依然として進展が見られません。日本政府の方針は、これまでの四島一括返還から二島先行返還と平和条約締結に傾いているように見えます。しかし、「平和条約締結後に二島を引き渡す」と明言したはずのプーチン氏の態度は大きく後退しているように思われます。日本側の方向転換は、四島一括返還にこだわる保守陣営を抑えることのできる安倍政権下であれば、可能でしょう。しかし、そうなるのであれば、かつての日ロ交渉の歴史の中でチャンスを度々逃してきた日本側の頑なな態度が、今となっては悔やまれることになります。プーチン政権は二島のロシア化を急ピッチで進めており、交渉妥結のハードルは高まり続けているからです。したたかプーチン氏にどう向き合って解決に持ち込めるのか、まさに安倍外交の真価が問われます。本日はロシア研究の第一人者である下斗米先生に日ロ関係の歴史と現在についてお話しいただきます。

*立正大学石橋湛山研究センター  この度、「石橋湛山研究第2号」が刊行になりました。ご希望の方は事務局まで。

*中部経済倶楽部 4月は17日(水)が中岡望・東洋英和女学院大学客員教授(会場:名古屋国際ホテル)、5月は8日(水)が武者リサーチ代表の武者陵司氏、15日(水)が曽我豪・朝日新聞政治部編集委員(いずれも会場は名古屋国際ホテル)。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会 本日はエルンスト・ルビッチ監督、グレタ・ガルボ主演の「ニノチカ」です。上映時間110分。午後2時40分頃開始します。

 

事務局便り  2019.4.5

いよいよ今月末をもって平成が終わります。41日には政府から5月以降の新元号も発表されました。平成天皇が自ら希望された「生前退位」が、刻々と近づいています。天皇の崩御による退位と改元が国民生活の混乱を伴った30年前の経験を鑑みれば、今回の「生前退位」の実現は、常に国民に寄り添うことで象徴天皇であることを全うしようとした平成天皇の国民への最後の賜物といえるかも知れません。さて、平成の時代は、経済面ではバブル崩壊とその傷跡を癒すための30年間でした。それが長かったのかどうかは、80年代後半のバブルの生成と膨張がどれだけ強大なものであったかに拠ると言えます。バブルの膨張を許した失敗を正しく捉えることなく、30年間を安易に「失われた」と片付けるべきではありません。高度成長によって経済大国にのし上がった日本は政治経済の諸制度も、そして国民の意識も、その存在にふさわしい行動と体制を身につけることができたのでしょうか。相変わらず日本人の耳にだけ優しい情報だけが社会に溢れ、日本でしか通用しないひとりよがりの議論が横行しているのではないでしょうか。本日は田中秀征さんに平成時代を振り返っていただきます。

*中部経済倶楽部 4月は17日(水)が中岡望・東洋英和女学院大学客員教授を予定しています。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会 本日はR・スティーブンソン監督、ジョン・フォンティーン主演の「ジェーン・エア」です。上映時間96分。午後2時40分頃開始します。

事務局便り  2019.3.29

 世界経済に深刻な懸念をもたせしていた米中貿易戦争は、紛争の長期化を回避したい思惑の一致から近い将来手打ちとなる公算が強くなってきました。相互に緊密な経済依存関係を築いていた米中にとって、この不毛な貿易戦争は、双方にとってなんの利益ももたらしません。貿易収支だけを取り上げて相手国を非難するトランプ氏の論理がもともと無理筋であったからです。しかし、背に腹はかえられない中国は、知財保護の方向での法律整備を進めることになり、その点では、米国は一定の成果を上げたことになります。ロシア疑惑の解明が不発に終わったことでボルテージの上がるトランプ氏に対して習近平氏は景気減速で苦境に立たされていると言われます。盤石と目されてきた習体制は果たしてどこに向かうのか。本日は高原先生に解読していただきます。

*中部経済倶楽部 4月は3日(水)が元国連安保理・北朝鮮制裁委員会委員の古川勝久氏、17日(水)が中岡望・東洋英和女学院大学客員教授を予定しています。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会 本日はテイ・ガーネット監督、ジョン・ガーフィールド、ラナ・ターナー主演の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」です。上映時間113分。午後2時40分頃開始します。

事務局便り  2019.3.22

 年が明けて史上最長の景気拡大達成もつかの間、景気の先行きにはにわかに暗雲が垂れこみ始めています。米中貿易戦争の余波から日本の輸出動向を左右する中国向け輸出に減退傾向が鮮明になってきているからです。そのため企業の景況感は悪化に向かっており、安倍政権が胸を張っている個人所得の増加も今年の賃金上昇は昨年を下回ることが避けられません。毎年続く社会保険の保険料率の改定によって個人の可処分所得はむしろ減少しており、賃金上昇が消費需要の増大をもたらす期待は実現していません。安倍政権は昨年の「森友・加計」問題の処理をうやむやに乗り切ったものの、今年は厚生労働省の統計不正問題の処理で再び政治不信を国民の間に蔓延させています。統一地方選の年に行われる参院選は与党不利とのジンクスがあり、安倍政権は局面打開のために衆参同日選挙に打って出るとの見方が次第に現実味を増してきました。大義名分は消費増税の延期となるのでしょうが、これは根拠の怪しい首相の解散権乱用にほかなりません。本日はこれからの政局動向について、お馴染みの歳川さんに深層を解説していただきます。

*中部経済倶楽部 4月は3日(水)が元国連安保理・北朝鮮制裁委員会委員の古川勝久氏、17日(水)が中岡望・東洋英和女学院大学客員教授を予定しています。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会 本日はクラレンス・ブラウン監督、キャサリン・ヘップバーン主演の1947年の米国映画『愛の調べ』です。上映時間119分。午後2時40分頃開始します。

 

 

事務局便り  2019.3.15

低成長ながら景気の拡大が続いてきた日本経済ですが、いよいよ景気腰折れのリスクが高まっています。インフレ目標を達成できずに、超金融緩和政策からの出口を見いだせないまま景気後退が鮮明になれば、あとは消費増税の延期と財政投入しか道は残されていません。それを好機として参議院と併せて衆議院のダブル選挙を行うのが安倍政権の狙いなのかも知れません。しかし、それは日本経済の土台を食い散らす衆愚政治にほかならないでしょう。人事権を振りかざした政権に阿る官僚と政権維持のために強弁を繰り返す政治に変化を与えなければ、日本の将来は転落の一途とを辿るしかないでしょう。本日は元祖アホノミクスを唱えて有名な浜矩子先生に日本経済の現状と将来を喝破していただきます。

*中部経済倶楽部 3月は20日(水)がTBSキャスターの星浩氏(同)を予定しています。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会  本日はロバート・ロッセン監督、ブロデリック・クロフォード主演の1949年の米国映画『オール・ザ・キングスメン』です。上映時間109分。午後2時40分頃開始します。

 

事務局便り  2019.3.8

米朝首脳会談がなんの成果も残すことができないまま物別れに終わりました。制裁緩和に向かって必死にすがった金正恩よりも、すげなく振舞ったトランプの方が一枚も二枚も上手だったと言えるかも知れません。朝鮮半島の非核化は少しも進展していません。失意のまま帰国した金正恩のみならず、この会談に政権の浮揚を駆けていた韓国の文政権もまた落胆の色は拭いようがありません。しかし、全てがトランプ頼みの安倍政権も決して褒められたものではないでしょう。拉致問題だけではなく、朝鮮半島の非核化は日本の安全保障の最重要課題です。しかも、同盟国であるはずの韓国との間では、かつての負の遺産を巡って対立の火種がくすぶり続けています。日本は好むと好まざるにかかわらず、この半島と向き合っていかざるを得ないのです。本日は神戸大学の木村先生に朝鮮半島をどう見たらいいのかをお話しいただきます。

*中部経済倶楽部 3月は12日(火)が現代中国問題研究家の津上俊哉氏(同:東京第一ホテル錦)、20日(水)がTBSキャスターの星浩氏(同)を予定しています。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会  本日はW・ウェルマン監督、ジャネット・ゲイナー主演の1937年米国映画『スター誕生』です。上映時間111分。午後2時40分頃開始します。

事務局便り  2019.3.1

明治維新は、暴力とテロルによって徳川の幕藩体制を打倒し、天皇と言う錦の御旗を掲げて日本を薩長軍閥による中央集権的な大日本帝国に塗り替えるものでした。維新後に発生した民権運動はことごとく圧殺され、不十分ではあるが、議会制民主主義の発展はみられたものの、やがてそれも、軍国主義の嵐に飲み込まれてしまいました。天皇の統帥権の存在とそれを利用した軍閥支配が、日本を誤った方向に導き、悲惨な結果に至ったことは否定できないでしょう。それにも関わらず、明治政府によってつくられた皇室典範を金科玉条のものとして皇室の存続を危うくしている勢力が保守層の中に巣くっています。明治を称揚してそれ以前の徳川時代を全否定するのではなく、公平な目で歴史を見直す必要があるのではないでしょうか。本日は久しぶりに碩学山内昌之先生をお招きして、パクス・トクガワナを論じていただきます。

*中部経済倶楽部 3月は12日(火)が現代中国問題研究家の津上俊哉氏(同:東京第一ホテル錦)、20日(水)がTBSキャスターの星浩氏(同)を予定しています。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会  本日はM・パウエル監督、デボラ・カー主演のイギリス映画『黒水仙』。上映時間100分。午後2時40分頃開始します。