年が明けて史上最長の景気拡大達成もつかの間、景気の先行きにはにわかに暗雲が垂れこみ始めています。米中貿易戦争の余波から日本の輸出動向を左右する中国向け輸出に減退傾向が鮮明になってきているからです。そのため企業の景況感は悪化に向かっており、安倍政権が胸を張っている個人所得の増加も今年の賃金上昇は昨年を下回ることが避けられません。毎年続く社会保険の保険料率の改定によって個人の可処分所得はむしろ減少しており、賃金上昇が消費需要の増大をもたらす期待は実現していません。安倍政権は昨年の「森友・加計」問題の処理をうやむやに乗り切ったものの、今年は厚生労働省の統計不正問題の処理で再び政治不信を国民の間に蔓延させています。統一地方選の年に行われる参院選は与党不利とのジンクスがあり、安倍政権は局面打開のために衆参同日選挙に打って出るとの見方が次第に現実味を増してきました。大義名分は消費増税の延期となるのでしょうが、これは根拠の怪しい首相の解散権乱用にほかなりません。本日はこれからの政局動向について、お馴染みの歳川さんに深層を解説していただきます。

*中部経済倶楽部 4月は3日(水)が元国連安保理・北朝鮮制裁委員会委員の古川勝久氏、17日(水)が中岡望・東洋英和女学院大学客員教授を予定しています。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会 本日はクラレンス・ブラウン監督、キャサリン・ヘップバーン主演の1947年の米国映画『愛の調べ』です。上映時間119分。午後2時40分頃開始します。