編集後記 2020年10月号

【編集後記】 今年8月の東京都の自殺者は前年を240人上回り(15・3%増)ました。倒産件数も前年を大幅に上回っています。しかし、自粛要請を徐々に緩和して感染防止と経済活動との両立を目指す政府に対しては、、感染防止の専門家やメディアからは、経済偏重を懸念する苦言が呈されています。しかし、活動自粛で高齢者は運動不足による生活習慣病の悪化や人との接触減少で認知症のリスクにさらされています。一刻も早く行き過ぎた感染防止最優先から抜け出すべきでしょう。
次号は、星浩氏「政治とメディアを考える」、山本太郎氏「ウイズコロナ~新たな社会の見取り図」、豊島逸夫氏「どうなる株、円、そして金」を掲載予定です。

経済倶楽部講演録2020年10月号 No.860

2020年10月号目次
タテ社会から見るコロナ禍の日本
医療人類学者 磯 野 真 穂

COVID-19に揺らぐ米国と中国-日本への期待
東京大学大学院教授 高 原 明 生

コロナとマクロ経済
学習院大学国際社会科学部教授 伊 藤 元 重

〔談話室〕新政権への期待        柴生田 晴四
〔会員の広場〕 福山「誠之館」と阿部正弘公          廣中  聰

経済倶楽部便り
読 書 通 信(No.188)
バックナンバーのご案内/編集後記

談話室2020年9号

「黒い雨」訴訟を考える       柴生田  晴四

読書通信 2020年9月号

■ 近畿財務局上席管理官だった赤木俊夫さんが自死したのは森友学園文書の改ざんを苦にしてのことだが、赤木雅子+相澤冬樹『私は真実が知りたい』文藝春秋、1650円)は夫人が大阪日々の記者(共著者)とともに元上司たちに真実のありかを尋ねて回るのが圧巻である。真実を知りたい、それだけのために長時間待ち続けつかまえ質問を浴びせる。しかし誰もまともに対応しない。ひたすら逃げ回る。官僚としての責任感も矜持もあったものではない。
こんな上司たちにいいように使われ見捨てられた故人が気の毒だが、日本の官僚組織の無責任ぶりを明らかにしただけでも本書の価値は大きい。すべては忖度と出世。そして実際、関係者はみな栄転していて、その実名が明かされる。佐川財務局長だけではない。公僕とは公務員のことと辞書にあるが、故人は「ぼくの契約相手は国民です」と普段から言っていたそうである。
■ 高度成長からバブル期までを21講、21人の学者がコンパクトに執筆した筒井清忠編『昭和史講義(下)』ちくま新書、1210円)はなかなかユニークな構成である。安保闘争時の「新左翼」とか「全共闘」など普通なら登場しないテーマを詳細に整理したり「日韓基本条約」や「歴史認識問題」に光を当てるなど、政治や経済に偏らない編集方針が好ましい。第1講を石橋内閣から始めたのも良かった。筆者の牧野邦昭は湛山研究の第一人者だが、簡にして要を得た出色の論考である。湛山がどのような知見と意図をもって政治活動したか、池田内閣下の高度成長は蔵相、通産相としての湛山の言動の中にすでに芽生えていた、などこの稿だけでも本書を手にする価値は十分ある。 続きを読む »

編集後記 2020年9月号

【編集後記】 梅雨が長引いた後に例年を上回る猛暑が日本列島を覆っています。自粛とステイホームそしてマスクの着用を強いられてきた国民の身体は暑さへの備えができていません。熱中症のリスクは昨年よりもはるかに高くなっています。多くの専門家がマスク着用によって熱中症のリスクが高まることを警告しています。熱中症による救急搬送は急角度で増え続け、重症者や死者も増えています。しかし、猛暑の中でもほとんどの人がマスクをして炎天下を歩いています。専門家に言わせると野外ですれ違った位では感染しないと言うことですが、強固なマスク信仰には抗する術がありません。
次号は、磯野真穂氏「タテ社会から見るコロナ禍の日本」、高原明生氏「COVID-19に揺らぐ米国と中国」、伊藤元重氏「コロナとマクロ経済」を掲載予定です。

経済倶楽部講演録2020年9月号 No.859

2020年9月号目次

QQEの成果とコロナ不況
名古屋商科大学ビジネススクール教授
原 田   泰

「危機の首相」の使命と条件とは
―どうなる「コロナ共棲」時代の日本政治
ノンフィクション作家、評論家 塩 田   潮

〈夏季特別企画〉昭和8年5月3日講演
米人の日本観につき在米中得たる感想
農学博士、法学博士 新渡戸 稲造

〔談話室〕「黒い雨」訴訟を考える   柴生田 晴四
〔会員の広場〕言葉、言葉、言葉            須山 茂樹

経済倶楽部便り
読 書 通 信(NO.187)
バックナンバーのご案内/編集後記

読書通信 2020年8月号

■ 最初はちょっとキワモノっぽい気がしたのだが、どうしてまっとうな調査ものだった。長い年月と多数の取材先を求めて書かれた、極めて説得力の強い内容である。石井妙子『女帝 小池百合子』(文藝春秋、1650円)を読めば、知事戦圧勝は当然と思えてくる。自らの履歴についても、政治家としての約束事についても、ウソをついてけろりとしている生きざまは天性のものらしい。前者の典型は「カイロ大学卒」の経歴詐称であり、後者はアスベスト被害者の家族に対する驚くほど不誠実な対応である。
カイロ大が卒業を認めているじゃないかという友人がいたが、本書の論証からは大学の偽証の色が限りなく濃い。小沢、細川、小泉たち領袖にすり寄り政界の階段を駆け上がっていくさまも過不足なく描かれる。本書を、男社会の犠牲者の物語として読む人、孤独な女の物語を「大衆消費」的に読む流れを批判する人(例えば朝日新聞7月19日付け書評)などさまざまだが、面白い本だと思って読むことを魔女狩りのように言うのはいかがか。問題は面白さの質である。
■ 政治記者は何をやっているんだ、という声をよく聞く。確かに政治記事の大半が政局記事に堕している。南彰『政治部不信』朝日新聞出版、869円)は内側から政治記者の抱える問題を追究しようとした力作である。とくに記者会見で政治家が嫌がる質疑まで追い込めない事情がよくわかる。答える側も会見の数を減らし、質問を制限し、嫌な記者は指名しない。それでもどうやって食い込んでいくか。これは根の深い問題であり、記者だけが努力しても限界があるとしか言いようがない。読者の側も取材の内幕を知ることから始める必要がある。
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談話室2020年8号

Go  Toキャンペーンの不明           柴生田  晴四

編集後記 2020年8月号

【編集後記】 新型コロナウイルス感染拡大防止を最優先させた自粛が日本を覆っています。私たちは、そろそろ感染のもたらすリスクと、自粛や新生活様式がもたらすリスクとを冷静に比較検証しなければならない時期を迎えています。感染学者の言い分を全て受け入れるのではなく、そのことがもたらす健康への悪影響や経済社会に与える負の側面を十分に考慮に入れたうえでコロナと共存する生活の在り方を選択すべきでしょう。
次号は、原田泰氏「QQEの効果とコロナ不況」、塩田潮氏「〈危機の首相〉の使命と条件とは」、〈夏季特別企画〉新渡戸稲造氏「米人の日本観につき在米中に得たる感想」(昭和8年5月13日講演)を掲載予定です。

経済倶楽部講演録2020年8月号 No.858

2020年8月号目次

ポストコロナ時代のライフスタイルとテクノロジー
ジャーナリスト 佐々木 俊尚

アフターコロナの日本経済
第一生命経済研究所首席エコノミスト
熊野 英生
コロナショック下の米大統領選挙
双日総研チーフエコノミスト 吉崎 達彦

〔談話室〕Go Toキャンペーンの不明   柴生田 晴四
〔会員の広場〕NPO法人「ACJ」始末記  松井 和明

経済倶楽部便り
読 書 通 信(No.186)
バックナンバーのご案内/編集後記