編集後記 2021年9月号

【編集後記】 緊急事態宣言の拡大と延長が決定した。多くの国民が行政と専門家と称する人たちの呼びかけに耳を貸さなくなっています。法的規制の強化を叫ぶ愚かな政治家もいますが、説得力も現場感覚もない対策を繰り返す政治と行政がもはや国民の信頼を失いつつあることを肝に銘じるべきです。
次号は塩田潮氏「危機の権力の使命と条件――コロナ・五輪・次期総選挙と菅政権の命運」、白井さゆり氏「新型コロナ感染危機以降の世界と日本――金融・財政政策の政策協調と中央銀行の直面する課題」、伊藤元重氏「GX(グリーン・トランスフォーメーション)と日本経済」を掲載予定です。

編集後記 2021年8月号

【編集後記】 故渋沢栄一氏は満州事変が勃発した1931年にその生涯を閉じました。日本が世界の孤児になることを憂いた氏は最後まで日米戦争の回避のために尽力されましたが、満州事変以降の日本は戦争への道を突き進んでいきます。くしくも同じ年に誕生した経済倶楽部は正常な精神を失いつつあった日本に自由な言論の砦を残すために設立されました。個人の自立こそが資本主義の発展の要であると考えた渋沢氏の精神も想起しつつ今後も活動を続けたいと思います。
次号は、渡部恒雄氏「バイデン政権の戦略と米中関係の行方」、鹿島茂氏「渋沢栄一のフランス体験と資本主義観、夏季特別企画・清澤洌「日本外交史の特質」(1941年5月2日)を掲載予定です

編集後記 2021年7月号

【編集後記】 例年よりも早い梅雨入りが発表になりました。湿度が高くなれば、熱中症の危険は増すことになります。そしてマスクの着用によって体温が上昇すれば、リスクはさらに高くなります。他人との濃厚接触の可能性がない場所でのマスクの着用を控えて、熱中症で命を危険にさらすことのないようにお過ごしください。
次号は早川英男氏「〈日本化〉とマクロ経済政策の変貌」、保阪正康氏「石橋湛山首相と日本近現代史」、三浦瑠麗氏「アフターコロナと日本の進路」を掲載予定です。

編集後記 2021年6月号

【編集後記】 やっと一般国民へのワクチン接種が本格化してきました。行政の対応の遅れや不手際を非難する声は相変わらず高いようですが、ワクチンによって日本社会を覆っている不安の霧が晴れてくれればそれに越したことはありません。コロナ恐怖が蔓延している中で昨年の日本人の死者数は久ぶりに減少しました。そしてコロナ関連の死者の二倍以上の自殺者が出ています。恐怖をあおることでいかに息苦しい社会を作り上げてしまったのかに思いをはせるべきでしょう。
次号は歳川隆雄氏「衆院解散・総選挙はいつか―菅政権の行方」、河野龍太郎氏「バイデン政権の高圧経済戦略の帰結は?」、吉崎達彦氏「アフターコロナの世界を考える」、酒井啓子氏「バイデン政権下の米国の対中東政策:イスラエル情勢、イラン、中東の民主化」を掲載予定です。

編集後記 2021年5月号

【編集後記】 「家から出ないでください」、「旅行はキャンセルしてください」といったことを小池都知事や医師会の幹部が相変わらず連日叫んでいます。しかし、どういうときに感染しやすいかという本質的なことを棚に上げた自粛要請は社会に対しても、市民一人ひとりに対しても深刻な副作用をもたらしかねません。そもそも自粛という行為は自ら考えて決めるもので他人から指図されるものではないのです。国民が一丸となって立ち向かう時だとか、同調しない者を非難し排除する社会の空気は、まさしく戦時中そのままです。特に感染防止を最優先に市民をあおり、政府をけしかけるマスメディアは、まさに戦時を彷彿させます。
次号は、此本臣吾氏「コロナ禍が加速させるデジタル化への対応」、渡辺努氏「コロナ経済危機の真因」、森田洋之氏「〈医療崩壊〉の不都合な真実」、小泉悠氏「2020年代のロシアを見通す」を掲載予定です。

編集後記 2021年4月号

【編集後記】 国民皆保険制度は確かに日本の優れた制度です。しかし、今回のコロナ禍では、医療提供体制のお粗末な現状が明らかになりました。勤務医の過酷な日常の一方で発熱した患者は来ないで下さいと平然と張り紙をする開業医。日本の医療制度の欠陥と放置されてきた既得権益の問題にもっとメスをいれなければならないでしょう。
次号は、竹中治堅氏「菅政権とコロナ危機」、永濱利廣氏「2021年の日本経済」、中岡望氏「ポスト・トランプのアメリカ社会と政治」、小川和久氏「バイデン時代の日本の安全保障を考える」を掲載予定です。

編集後記 2021年3月号

【編集後記】 緊急事態宣言の下で外出の自粛が叫ばれ、とにかく外に出るなといったメッセージが責任のある立場の人たちから発せられてきました。しかし、3密を避けて感染の防止に努めるのであれば、外に出て散歩をしたり、買い物に出かけたりすることになんの問題もないはずです。家に閉じこもることは身体的にも精神的にも健康を害することが明らかです。公的な発言をする立場にある人たちは、そうしたバランス感覚をわきまえて発言するべきです。一刻も早く講演会場で会員の皆様にお会いできる日を心待ちにしております。
次号は、野口悠紀雄氏「米中デジタル覇権競争に大きな転機?」、中室牧子氏「教育に科学的根拠を」、山田実氏「COVID―19蔓延で浮き彫りになった健康長寿への課題」、辺真一氏「2021年朝鮮半島情勢をよむ」を掲載予定です。

編集後記 2021年2月号

【編集後記】 大学入試の会場でマスクを鼻の下に下げていて注意された40代の受験生が指示にしたがわなかったために退去を命じられ、トイレに立てこもったところを駆けつけた警官に逮捕されるという事件が起こりました。係員の過剰なマスク信仰と教条主義にはあきれるしかありません。恐怖と不寛容が日本社会を蝕んでいます。健全な社会を築くことが為政者やマスコミの使命であるはずですが、現実はぎすぎすした人間味のない社会に変容しつつあります。
次号は藤原帰一氏「大統領選挙後のアメリカと世界」、津上俊哉氏「2021年中国と米国の行方」、庄司克宏氏「ブレグジット後の英EU関係の展望」を掲載予定です。

編集後記 2021年1月号

【編集後記】 全国の自殺者数は7月以降5カ月連続で増加しています。1月から11月までの累計では1万9101人で前年同期比426人の増加です。自殺者は昨年まで10年連続で減少を続けていました。まさにコロナ対策としての新生活様式が自殺者急増をもたらしていることは疑いようがありません。命の大切さを声高に叫ぶのであれば、自殺者対策こそが全てに優先されるべきでしょう。
次号は山田惠資氏「菅政権は何を目指すのか」、中山俊宏氏「2020年米国大統領選挙考察――アメリカは何を選択したのか?」、嶋中雄二氏「2021年日本経済の展望」、寺島実郎氏「コロナ問題の本質とコロナを超える視座」を掲載予定です。

編集後記 2020年12月号

【編集後記】 今年も師走を迎えました。例年であれば出席する忘年会も全て中止となり、ひっそりと年を越すことになりそうです。コロナ禍の一年がこれまでの生活を見直し、リセットする機会になれば、無駄な一年ではなかったと言えるかも知れません。それは間違ってもお役所の言うところの新たな生活様式などではありません。感染防止に翻弄されるのではなく、人生と社会の行く末を冷静に見つめ直す機会にしたいものです。
次号は、湯浅卓氏「2020年トランプとアメリカの命運」、小峰隆夫氏「コロナショック下の日本経済――現状と将来展望」、山口榮一氏「イノベーションと科学の同時危機はなぜ起きたのか?」、柯隆氏「米中貿易摩擦の新たな展開と中国経済の展望」を掲載予定です。