編集後記 2021年2月号

【編集後記】 大学入試の会場でマスクを鼻の下に下げていて注意された40代の受験生が指示にしたがわなかったために退去を命じられ、トイレに立てこもったところを駆けつけた警官に逮捕されるという事件が起こりました。係員の過剰なマスク信仰と教条主義にはあきれるしかありません。恐怖と不寛容が日本社会を蝕んでいます。健全な社会を築くことが為政者やマスコミの使命であるはずですが、現実はぎすぎすした人間味のない社会に変容しつつあります。
次号は藤原帰一氏「大統領選挙後のアメリカと世界」、津上俊哉氏「2021年中国と米国の行方」、庄司克宏氏「ブレグジット後の英EU関係の展望」を掲載予定です。

編集後記 2021年1月号

【編集後記】 全国の自殺者数は7月以降5カ月連続で増加しています。1月から11月までの累計では1万9101人で前年同期比426人の増加です。自殺者は昨年まで10年連続で減少を続けていました。まさにコロナ対策としての新生活様式が自殺者急増をもたらしていることは疑いようがありません。命の大切さを声高に叫ぶのであれば、自殺者対策こそが全てに優先されるべきでしょう。
次号は山田惠資氏「菅政権は何を目指すのか」、中山俊宏氏「2020年米国大統領選挙考察――アメリカは何を選択したのか?」、嶋中雄二氏「2021年日本経済の展望」、寺島実郎氏「コロナ問題の本質とコロナを超える視座」を掲載予定です。

編集後記 2020年12月号

【編集後記】 今年も師走を迎えました。例年であれば出席する忘年会も全て中止となり、ひっそりと年を越すことになりそうです。コロナ禍の一年がこれまでの生活を見直し、リセットする機会になれば、無駄な一年ではなかったと言えるかも知れません。それは間違ってもお役所の言うところの新たな生活様式などではありません。感染防止に翻弄されるのではなく、人生と社会の行く末を冷静に見つめ直す機会にしたいものです。
次号は、湯浅卓氏「2020年トランプとアメリカの命運」、小峰隆夫氏「コロナショック下の日本経済――現状と将来展望」、山口榮一氏「イノベーションと科学の同時危機はなぜ起きたのか?」、柯隆氏「米中貿易摩擦の新たな展開と中国経済の展望」を掲載予定です。

編集後記 2020年11月号

【編集後記】内閣府の景気の山と谷を判定する有識者会議「景気動向指数研究会」は7月30日に景気の拡大が18年10月に終了し後退局面に入ったと暫定的に認定しました。戦後最長記録を更新する20年2月のかなり前から景気は後退していたことになります。データを基にした専門家の判定に対して官邸から山の時期を20年2月まで繰り下げるように圧力がかかったそうです。幸いにもメンバー全員が辞任覚悟で拒否して事なきを得ましたが、安倍政権の中枢部が極めて危険なご都合主義に毒されていた事実に暗然とします。菅政権がこうした体質を受け継がないこと、そして関係者が勇気をもって不当な圧力に屈しないことを願うばかりです。
次号は、近藤克則氏「ゼロ次予防―認知症の少ない社会をつくる」、与良正男氏「難題山積の中、始動した菅政権」、吉川洋氏「日本経済の現状と課題」、チャールズ・レイク氏「ニューノーマル時代のグッドガバナンス」です。

編集後記 2020年10月号

【編集後記】 今年8月の東京都の自殺者は前年を240人上回り(15・3%増)ました。倒産件数も前年を大幅に上回っています。しかし、自粛要請を徐々に緩和して感染防止と経済活動との両立を目指す政府に対しては、、感染防止の専門家やメディアからは、経済偏重を懸念する苦言が呈されています。しかし、活動自粛で高齢者は運動不足による生活習慣病の悪化や人との接触減少で認知症のリスクにさらされています。一刻も早く行き過ぎた感染防止最優先から抜け出すべきでしょう。
次号は、星浩氏「政治とメディアを考える」、山本太郎氏「ウイズコロナ~新たな社会の見取り図」、豊島逸夫氏「どうなる株、円、そして金」を掲載予定です。

編集後記 2020年9月号

【編集後記】 梅雨が長引いた後に例年を上回る猛暑が日本列島を覆っています。自粛とステイホームそしてマスクの着用を強いられてきた国民の身体は暑さへの備えができていません。熱中症のリスクは昨年よりもはるかに高くなっています。多くの専門家がマスク着用によって熱中症のリスクが高まることを警告しています。熱中症による救急搬送は急角度で増え続け、重症者や死者も増えています。しかし、猛暑の中でもほとんどの人がマスクをして炎天下を歩いています。専門家に言わせると野外ですれ違った位では感染しないと言うことですが、強固なマスク信仰には抗する術がありません。
次号は、磯野真穂氏「タテ社会から見るコロナ禍の日本」、高原明生氏「COVID-19に揺らぐ米国と中国」、伊藤元重氏「コロナとマクロ経済」を掲載予定です。

編集後記 2020年8月号

【編集後記】 新型コロナウイルス感染拡大防止を最優先させた自粛が日本を覆っています。私たちは、そろそろ感染のもたらすリスクと、自粛や新生活様式がもたらすリスクとを冷静に比較検証しなければならない時期を迎えています。感染学者の言い分を全て受け入れるのではなく、そのことがもたらす健康への悪影響や経済社会に与える負の側面を十分に考慮に入れたうえでコロナと共存する生活の在り方を選択すべきでしょう。
次号は、原田泰氏「QQEの効果とコロナ不況」、塩田潮氏「〈危機の首相〉の使命と条件とは」、〈夏季特別企画〉新渡戸稲造氏「米人の日本観につき在米中に得たる感想」(昭和8年5月13日講演)を掲載予定です。

編集後記 2020年7月号

【編集後記】コロナ禍による集会の自粛が長引き、この講演録まで待てないという声にこたえるため、講演後に動画配信で講師のお話を直接視聴できるシステムを導入しました。なお、講演後の質問は事務局長と理事長が行っております。会員の方が出席しているわけではありませんので誤解なきよう。皆様に直接お会いできる日を千秋の思いで待っておりますが、現状ではいつ通常の再開ができるか、確たる見通しは得られていません。今しばらくご辛抱いただきたいと存じます。
次号は、佐々木俊尚氏「ポスト・コロナ時代のライフスタイルとテクノロジー」、熊野英生氏「アフターコロナの日本経済」、吉崎達彦氏「コロナショック下の米大統領選」を掲載予定です。

編集後記 2020年6月号

【編集後記】 コロナ騒ぎのどさくさに紛れて検察庁法改正が強行されようとしています。政府は「他省庁の定年延長に合わせるため」と説明していますが、それならなぜ内閣や法務大臣の判断でさらに定年を延長できる規定が新たに盛り込まれたのか。もともと1月に安倍首相に近いとされる黒川東京高検検事長の定年延長を閣議決定による法解釈変更で強行したことへの辻褄合わせとしかいいようのない改正案です。行政からもっとも中立であるべき検察の人事に時の権力が介入できるようになれば、ただでさえ危うい日本の三権分立は根底から揺らぐことになるでしょう。次号は、歳川隆雄氏「コロナ・五輪政局の見通し」、白井さゆり氏「国際経済情勢と日本」、中林美恵子氏「米大統領選の行方と日本を取り巻く国際情勢の変化」、酒井啓子氏「新型コロナ蔓延の中東域政治に与える影響」を掲載予定です。

編集後記 2020年5月号

【編集後記】 コロナ騒ぎがもたらした自粛の日々をいかに有効に過ごすかが今後の日本人の在り方を決めるような気がしています。あり余る時間を古典や文化、芸術の再認識のための天が与えた休暇と考え、これまでの歴史をふりかえり、これからの社会や自らの生き方を考え直すいい機会として活用したいものです。
次号は、熊倉正修氏「日本の経済政策と民主主義」、三浦瑠麗氏「日本人の価値感の違いを探る」、早川英男氏「〈異次元緩和〉7年後の真実」を掲載予定です。