文系軽視・理系偏重は日本を滅ぼす

11月24日(金)第4225回         佐和  隆光氏(京都大学名誉教授)

2015年6月に人文社会学系学部・大学院の廃止・転換を求める文部科学大臣通知が86国立大学長宛に届きました。近年の日本の産業競争力低下は、半世紀に渡る「理系学部の教育の偏向」が原因であることを論証します。

講師紹介
1942年生まれ。65年東京大学経済学部卒業。67年同大学院経済学研究科修士課程修了。同大学助手を経て、71年東京大学経済学博士。80年教授に昇格。この間、スタンフォード大学研究員、イリノイ大学教授等を務める。その後、京都大学経済研究所所長を経て2000年から2016年まで、滋賀大学学長。現在、京都大学名誉教授、滋賀大学特別招聘教授。主な近著に『経済学のすすめ』(岩波新書、2016)、『日本経済の憂欝 デフレ不況の政治経済学』(ダイヤモンド、2013)、『グリーン資本主義-グローバル「危機」克服の条件』(岩波新書、2009)、『佐和教授 はじめての経済講義』(日本経済新聞社、2008)がある。

 

2018年への視座

12月1日(金)第4226回        寺島 実郎氏((一財)日本総合研究所会長)

 

講師紹介

1947年北海道生まれ。73年早稲田大学大学院修了後、三井物産入社。83~84年Brookings研究所出向。87年米国三井物産、91~97年同ワシントン事務所長。99年三井物産戦略研究所長。2001年日本総合研究所理事長、三井物産常務執行役員。2009年日本総合研究所会長、多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長。主な近著に『中東・エネルギー・地政学』(東洋経済新報社、2016)、『シルバー・デモクラシー』(岩波書店、2016)、『新・観光立国論 モノづくり国家を超えて』(NHK出版、2015)、『大中華圏』(NHK出版、2012)、『二十世紀と格闘した先人たち』(新潮社、2014)、『脳力のレッスン3』(岩波書店、2010)、『新しい世界観を求めて』(共著、毎日新聞、2010)、『経済人はなぜ平和に敏感でなければならないのか』(東洋経済新報社、2007)、『新経済主義宣言』(新潮社、1994=石橋湛山賞受賞)。

トランプ以後の世界はどこへ行くのか-連欧連亜のすすめ

12月8日(金)第4227回       進藤  榮一氏(筑波大学名誉教授)

トランプ登場後一年が経過したいま、世界とアジアの動向は混迷の度を深めています。「15文字(ツイッター)」で政策決定を乱発する異例の大統領下で「没落する核超大国」が展開する世界はどこに向かうのか。「100%の友人で同盟国」と称え合う日米同盟基軸論とは何であるのか。帝国終焉後の世界と「アジア力の世紀」をいかに生き抜くべきか。北朝鮮の核危機とは何であり、勃興し続ける中国やアジアとどう付き合うべきか。一帯一路やAIIBにどう対処すべきか。「アジア力の世紀」を生き抜く日本の知恵を考えます。

講師紹介

1939年北海道帯広市生まれ。1963年京都大学法学部卒。同大学院博士課程を経て、69年よりフルブライト留学生としてジョンズホプキンズ大学院、プリンストン大学院で学ぶ。74年筑波大学助教授を経て教授、学系長等を歴任。その間ハーバード大学、プリンストン大学で上級研究員、オースチン大学、メキシコ大学院大学、サイモンフレーザー大学、コペンハーゲン大学、京都大学、名古屋大学、東京外国語大学等で客員教授を歴任。オックスフォード大学、延世大学、香港中文大学、ウイルソン国際学術研究所等で客員研究員。2003年筑波大学名誉教授。江戸川大学、早稲田大学アジア研究機構教授を歴任。吉田茂賞受賞。東久邇宮文化褒章受章。筑波大学大学院名誉教授。国際アジア共同体学会会長、東アジア共同体評議会副議長。21世紀政策構想フォーラム理事長等歴任。社会福祉法人理事長、国連DEVNET上級顧問兼任。著書に『アメリカ・黄昏の帝国』『分割された領土』『東アジア共同体をどうつくるか』『戦後の原像』『非極の世界像』『ポストグローバリズムの世界像』『敗戦の逆説』『現代紛争の構造』『現代国際関係学』『国際公共政策』等多数。編著に『農が拓く東アジア共同体』『東アジア共同体を設計する』『動き始めた朝鮮半島』『公共政策への招待』。翻訳に『国際関係と正義』『ジェンダーと国際関係』『レーニン』等多数。『芦田均日記(全7巻)』編纂、『国際公共政策叢書(全20巻)』編集。

 

 

2018年 日本経済の展望

12月15日(金)第4228回      嶋中雄二氏(三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長)

景気は「ゴールデンサイクル」の下で、長さは既に「いざなぎ景気」(57カ月)を超えました。18年度は戦後最長の「イザナミ景気」(73カ月)超えと、数量景気から価格景気への転換に期待がかかります。

講師紹介
1955年東京生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業。三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。83年同行を退職後、早稲田大学大学院経済学研究科修士課程入学(86年修了)、仏リヨン経営大学院留学、米スタンフォード大学フーバー研究所Visiting Scholar。89年三和総合研究所主任研究員、2000年同投資調査部長兼主席研究員、07年三菱UFJ証券参与、景気循環所長を経て現職。主な著書(共著を含む)に『これから日本は4つの景気循環がすべて重なる。ゴールデン・サイクルⅡ』(東洋経済新報社、2013)、『太陽活動と景気』(日経ビジネス人文庫、2010)、『先読み!景気循環入門』(共著、日本経済新聞出版社、2009)、『ゴールデン・サイクル』(東洋経済新報社、2006)がある。

第19回党大会後の中国

11月17日(金)第4224回         高原 明生氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

第19回中国共産党大会後に開かれた中央委員会総会は、習近平第2期政権の新たな成員を選出。本講演では、新しい権力の分布状況が中国の安定に資するのか、第2期政権がどんな政策を実施するのか等につき検討します。

講師紹介

1958年神戸市生まれ。1981年東京大学法学部卒、英国サセックス大学にて博士号取得。立教大学教授等を経て2005年より東京大学大学院法学政治学研究科教授。在中国日本大使館専門調査員、英国開発問題研究所理事、ハーバード大学訪問学者、アジア政経学会理事長、新日中友好21世紀委員会委員(日本側秘書長)、北京大学訪問学者、メルカトール中国研究所上級訪問学者などを歴任。東京財団上席研究員、日本国際問題研究所上席客員研究員、日本国際フォーラム上席研究員などを兼任。主な近著に『シリーズ中国近現代史⑤ 開発主義の時代へ1972-2014』(共著、岩波新書)、『東大塾 社会人のための現代中国講義』(共編、東京大学出版会)がある。

ポピュリズムの時代なのか:岐路に立つ現代デモクラシー   ☆石橋湛山賞受賞記念講演

11月10日(金)第4223回      水島 治郎氏(千葉大学法政経学部教授)

イギリス国民投票におけるEU離脱派の勝利、トランプ米大統領の誕生をはじめとして、
現代各国政治を席捲し、国際秩序を 揺るがせているポピュリズム。その背景と展開、日本への示唆について考えます。

講師紹介

19674年生まれ。東京大学教養学部卒業。94年~95年ライデン大学留学。東京大学大学院法学政治学研
究科修了、博士(法学)取得。甲南大学法学部助教授を経て現職。主な著書に『ポピュリズムとは何か
(中公新書、2016)、『反転する福祉国家-オランダモデルの光と影』(岩波書店、2012)、『戦後オランダ
の政治構造-ネオコーポラティズムと所得政策』(東京大学出版会、2001)がある。

 

 

完全雇用なのになぜ追加財政、金融緩和を続けるのか

10月27日(金)第4222回       河野  龍太郎氏(BNPパリバ証券チーフエコノミスト)

最近、経済専門家の集まりで議論しましたが、驚いたのは労働需給の逼迫を認めつつ、景気刺激的な財政・金融政策の終了が主張されなかった点です。資源配分や財政規律に悪影響を及ぼす政策の転換を論じます。

講師紹介
1964年愛媛県生まれ。87年横浜国立大学経済学部卒、住友銀行入行。68年大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)、94年米国駐在エコノミスト。97年第一生命経済研究所上席主任研究員、2000年BNPパリバ証券チーフエコノミスト、現在、経済調査本部長兼務。著書に『円安再生』(東洋経済新報社、03)、共訳書にブラインダー『金融政策の理論と実践』(同、99)、クルーグマン『通貨政策の経済学』(同、98)。

柳田・石橋の農政論と農業改革の展望

10月20日(金)第4221回      山下  一仁氏(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

民俗学の巨人、柳田國男と戦前植民地政策を批判した石橋湛山が農業改革論を展開したことは案外知られていません。
大きく変貌する日本農業の現状の中で、彼らの農政理論を21世紀に活かす道を展望します。

講師紹介

1955年生まれ。77年東京大学法学部卒業。同年農林省入省。82年ミシガン大学行政学修士、同大学応用経済学修士。94年農水省ガット室長、95年(在ベルギー)EU日本政府代表部参事官、98年農水省地域振興課長、2001年食糧庁総務課長、02年農水省国際部参事官、OECD農業委員会副議長、05年東京大学より博士号(農業)取得、07年農水省農村振興局次長、08年(独)経済産業研究所研究員、098月キヤノングローバル戦略研究所客員研究員を経て現職。主な著書に『農協解体』(宝島社、2014)、『日本の農業を破壊したのは誰か~「農業立国」に舵を切れ』(講談社、2013)、『TPPおばけ騒動と黒幕~開国の恐怖を煽った農協の遠望』(オークラ出版、2012)、『農業ビッグバンの経済学』(日本経済新聞出版社、2010)、『国民と消費者重視の農政改革』(東洋経済新報社、2004)がある。

 

北朝鮮核危機と日本

10月13日(金)第4220回        三浦瑠麗氏(東京大学政策ビジョン研究センター講師)

北朝鮮は事実上の核保有国となり、米国にも直接の脅威となりました。しかし、北朝鮮の急速な軍事力向上と裏腹に、安全保障の議論に進歩はありません。脅威から目を背けず、今後の外交安保政策を論じます。

講師紹介
1980年神奈川県生まれ。99年神奈川県立湘南高校を卒業し、東京大学理科一類に入学。2001年同大学農学部生物環境科学課程に進学。04年4月、東京大学大学院公共政策学教育部(公共政策大学院)専門修士課程に入学。10年10月東京大学大学院法学政治学研究科総合法政専攻博士課程修了し、法学博士に。07年日本学術振興会特別研究員を経て現職。10年に「長期的視野に立った成長戦略-ワーキングマザー倍増計画」で東洋経済新報社主催の第26回高橋亀吉記念賞で佳作受賞。主な著作に『日本に絶望している人のための政治入門』(文春新書、15)がある。

 

政治の面白さ、怖さ

ここ数カ月の安倍政権の支持率低下ぶりは改めて政治の面白さと怖さを実感させました。長期政権を支えてきたはずの幾つかの権力運営の「強み」がオセロのように「弱み」へと変貌した経緯を検証しながら、逆に追い込まれた安倍政権が「改憲」で反転攻勢に出る可能性を指摘します。併せて野党を含む今後の政局を展望しつつ現在の政治報道の「弱み」も考えてみたいと思います。

講師紹介
1962年生まれ。85年東京大学法学部(政治コース)卒業後、朝日新聞入社。熊本支局、西部本社社会部を経て89年政治部へ。主に自民党竹下派と内政官庁を担当。94年から週刊朝日、2000年には月刊論座で出版系記者・編集者も経験。01年、自民党平河倶楽部、03年政党担当デスク。11年より政治部長。現在編集委員。