完全雇用なのになぜ追加財政、金融緩和を続けるのか

10月27日(金)第4222回       河野  龍太郎氏(BNPパリバ証券チーフエコノミスト)

最近、経済専門家の集まりで議論しましたが、驚いたのは労働需給の逼迫を認めつつ、景気刺激的な財政・金融政策の終了が主張されなかった点です。資源配分や財政規律に悪影響を及ぼす政策の転換を論じます。

講師紹介
1964年愛媛県生まれ。87年横浜国立大学経済学部卒、住友銀行入行。68年大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)、94年米国駐在エコノミスト。97年第一生命経済研究所上席主任研究員、2000年BNPパリバ証券チーフエコノミスト、現在、経済調査本部長兼務。著書に『円安再生』(東洋経済新報社、03)、共訳書にブラインダー『金融政策の理論と実践』(同、99)、クルーグマン『通貨政策の経済学』(同、98)。

ポピュリズムの時代なのか:岐路に立つ現代デモクラシー   ☆石橋湛山賞受賞記念講演

11月10日(金)第4223回      水島 治郎氏(千葉大学法政経学部教授)

イギリス国民投票におけるEU離脱派の勝利、トランプ米大統領の誕生をはじめとして、
現代各国政治を席捲し、国際秩序を 揺るがせているポピュリズム。その背景と展開、日本への示唆について考えます。

講師紹介

19674年生まれ。東京大学教養学部卒業。94年~95年ライデン大学留学。東京大学大学院法学政治学研
究科修了、博士(法学)取得。甲南大学法学部助教授を経て現職。主な著書に『ポピュリズムとは何か
(中公新書、2016)、『反転する福祉国家-オランダモデルの光と影』(岩波書店、2012)、『戦後オランダ
の政治構造-ネオコーポラティズムと所得政策』(東京大学出版会、2001)がある。

 

 

第19回党大会後の中国

11月17日(金)第4224回         高原 明生氏(東京大学大学院教授)

第19回中国共産党大会後に開かれた中央委員会総会は、習近平第2期政権の新たな成員を選出。本講演では、新しい権力の分布状況が中国の安定に資するのか、第2期政権がどんな政策を実施するのか等につき検討します。

講師紹介

1958年神戸市生まれ。81年東京大学法学部卒業。英Sussex大学開発問題研究所博士課程修了。桜美林大学助教授、立教大学教授を経て2005年より現職。主な著訳書に『日中関係史』(共著、有斐閣アルマ、13)、『「領土問題」の論じ方(共著、岩波ブックレット、13)、『日中関係史1972‐2012〈1〉政治』(共編著、東大出版会、12)、『10年後の中国(共監修、講談社、11)、『中日関係史1978‐2008』(監訳、東大出版会、09)、現代アジア研究〈1〉越境』(共編著、慶大出版会、08)『毛沢東、鄧小平そして江沢民』(共編著、東洋経済新報社、99)など。海上保安庁政策アドバイザー、新日中友好21世紀委員会秘書長など兼務。

文系軽視・理系偏重は日本を滅ぼす

11月24日(金)第4225回         佐和  隆光氏(京都大学名誉教授)

2015年6月に人文社会学系学部・大学院の廃止・転換を求める文部科学大臣通知が86国立大学長宛に届きました。近年の日本の産業競争力低下は、半世紀に渡る「理系学部の教育の偏向」が原因であることを論証します。

講師紹介
1942年生まれ。65年東京大学経済学部卒業。67年同大学院経済学研究科修士課程修了。同大学助手を経て、71年東京大学経済学博士。80年教授に昇格。この間、スタンフォード大学研究員、イリノイ大学教授等を務める。その後、京都大学経済研究所所長を経て2000年から2016年まで、滋賀大学学長。現在、京都大学名誉教授、滋賀大学特別招聘教授。主な近著に『経済学のすすめ』(岩波新書、2016)、『日本経済の憂欝 デフレ不況の政治経済学』(ダイヤモンド、2013)、『グリーン資本主義-グローバル「危機」克服の条件』(岩波新書、2009)、『佐和教授 はじめての経済講義』(日本経済新聞社、2008)がある。

 

柳田・石橋の農政論と農業改革の展望

10月20日(金)第4221回      山下  一仁氏(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

民俗学の巨人、柳田國男と戦前植民地政策を批判した石橋湛山が農業改革論を展開したことは案外知られていません。
大きく変貌する日本農業の現状の中で、彼らの農政理論を21世紀に活かす道を展望します。

講師紹介

1955年生まれ。77年東京大学法学部卒業。同年農林省入省。82年ミシガン大学行政学修士、同大学応用経済学修士。94年農水省ガット室長、95年(在ベルギー)EU日本政府代表部参事官、98年農水省地域振興課長、2001年食糧庁総務課長、02年農水省国際部参事官、OECD農業委員会副議長、05年東京大学より博士号(農業)取得、07年農水省農村振興局次長、08年(独)経済産業研究所研究員、098月キヤノングローバル戦略研究所客員研究員を経て現職。主な著書に『農協解体』(宝島社、2014)、『日本の農業を破壊したのは誰か~「農業立国」に舵を切れ』(講談社、2013)、『TPPおばけ騒動と黒幕~開国の恐怖を煽った農協の遠望』(オークラ出版、2012)、『農業ビッグバンの経済学』(日本経済新聞出版社、2010)、『国民と消費者重視の農政改革』(東洋経済新報社、2004)がある。

 

北朝鮮核危機と日本

10月13日(金)第4220回        三浦瑠麗氏(東京大学政策ビジョン研究センター講師)

北朝鮮は事実上の核保有国となり、米国にも直接の脅威となりました。しかし、北朝鮮の急速な軍事力向上と裏腹に、安全保障の議論に進歩はありません。脅威から目を背けず、今後の外交安保政策を論じます。

講師紹介
1980年神奈川県生まれ。99年神奈川県立湘南高校を卒業し、東京大学理科一類に入学。2001年同大学農学部生物環境科学課程に進学。04年4月、東京大学大学院公共政策学教育部(公共政策大学院)専門修士課程に入学。10年10月東京大学大学院法学政治学研究科総合法政専攻博士課程修了し、法学博士に。07年日本学術振興会特別研究員を経て現職。10年に「長期的視野に立った成長戦略-ワーキングマザー倍増計画」で東洋経済新報社主催の第26回高橋亀吉記念賞で佳作受賞。主な著作に『日本に絶望している人のための政治入門』(文春新書、15)がある。

 

政治の面白さ、怖さ

ここ数カ月の安倍政権の支持率低下ぶりは改めて政治の面白さと怖さを実感させました。長期政権を支えてきたはずの幾つかの権力運営の「強み」がオセロのように「弱み」へと変貌した経緯を検証しながら、逆に追い込まれた安倍政権が「改憲」で反転攻勢に出る可能性を指摘します。併せて野党を含む今後の政局を展望しつつ現在の政治報道の「弱み」も考えてみたいと思います。

講師紹介
1962年生まれ。85年東京大学法学部(政治コース)卒業後、朝日新聞入社。熊本支局、西部本社社会部を経て89年政治部へ。主に自民党竹下派と内政官庁を担当。94年から週刊朝日、2000年には月刊論座で出版系記者・編集者も経験。01年、自民党平河倶楽部、03年政党担当デスク。11年より政治部長。現在編集委員。

インターネット・ゴールドラッシュ時代の投資戦略

9月29日 第4218回         武者リサーチ代表   武者 陵司氏

新産業革命進展で主役交代が如実です。米国の時価総額トップはネットコア企業。日本でも主役企業衰弱の一方、小型株価が大幅上昇。技術革命はしがらみの少ない中小企業に有利に。マクロ面でも高収益、低金利、低インフレなど良好な環境が続く。この時代の投資戦略を考えます。

講師紹介

1949年生まれ。1973年に横浜国大経済学部を卒業し、大和証券に入社。企業調査アナリスト。1988年ニューヨーク駐在、大和総研アメリカでチーフアナリストとして米国のマクロ、ミクロを調査。93年大和総研企業調査第二部長。97年ドイツ証券入社。2005年5月ドイツ証券副会長兼チーフ・インベストメント・アドバイザー。09年7月武者リサーチ代表。

朝鮮半島問題に解はあるか

北朝鮮は核とICBMの実戦化に近づいたとされています。米国は軍事的手段も排除しないとしつつ、安保理制裁を強化し、中国が北朝鮮に意味ある圧力を行使するよう迫っています。北朝鮮が核放棄に至るシナリオはあるのか検証します。

講師紹介

1947年生まれ。69年京都大学法学部卒業後、外務省入省。72年オックスフォード大学政治経済学修士課程修了。外務省では85年に北米局北米二課長、87年アジア局北東アジア課長。89年英国国際戦略問題研究所研究員、96年北米局審議官、2000年経済局長、02年より政務担当外務審議官。05年8月退官。9月より日本国際交流センターにてシニア・フェロー。10年10月に現職。主な著書に『日本外交の挑戦』(角川新書、2015)、『プロフェッショナルの交渉力』(講談社、2009年)、『外交の力』(日本経済新聞出版社、2009年)、『国家と外交』(講談社、2005)がある。

大規模地震対策特別措置法見直しと予知の実力

9月15日(金)第4214回      長尾 年恭氏(東海大学教授、海洋研究所長 地震予知・火山津波研究部門長)

現在、内閣府で大規模地震対策特別措置法(いわゆる東海地震の予知対応の法律)の見直しの議論が行われています。
そこでどのような議論が行われているのか、現在の予知の本当の実力はどの程度なのか、最新の知見も含めてご紹介します。

 

講師紹介

1955年生まれ。87年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。大学院在学中に第22次日本南極地域観測越冬隊に参加。昭和基地にて越冬。重力、地殻変動、地殻熱流量観測等に従事。88年6月より金沢大学理学部助手。91年11月より1年間、地震予知研究のため、アテネ大学物理学部へ留学。96年から東海大学海洋研究所地震予知研究センター。2006年より東京大学地震研究所・客員教授を経て現職。14年から一般社団法人「日本地震予知学会」理事・副会長、一般社団法人「強靭な理想の住宅を創る会」代表理事。