2018年日本経済の課題

1月19日(金)第4230回          吉川  洋氏(立正大学経済学部教授)

労働市場を別にすると、好況感に欠ける日本経済。その原因を人口減少に求めるのは誤りです。財政の拡張、非伝統的な金融政策で問題を解決しようとしても限界があります。税と社会保障について改めて考えます。

講師紹介

1951年生まれ。70年東京教育大学付属駒場高校卒。74年東京大学経済学部卒業。78年エール大学大学院博士課程修了(指導教官はジェームズ・トービン)。88年東京大学助教授。93年同教授。2009年同学部長を経て現職。小泉内閣、麻生内閣で経済財政諮問会議民間議員。主な著作に『デフレーション-“日本の慢性病”の全貌を解明する』(日本経済新聞出版社、2013)、『いまこそケインズとシュンペーター』(ダイヤモンド社、09)、『転換期の日本経済』(岩波書店、1999)、『日本経済とマクロ経済学』(東洋経済新報社、92)など。

保守本流と自民党本流

1月26日(金)第4231回         田中  秀征氏(元経済企画庁長官、福山大学客員教授)

戦後日本の保守勢力には、保守本流と自民党本流とも呼ぶべき二つの流れがあり、この二つの流れには歴史観、憲法観でかなりの違いがあります。21世紀に入ってからは、保守本流が衰弱し、自民党本流が優勢となっています。このような視点から戦後史を振り返り、現状を分析します。

講師紹介

1940年長野市生まれ。東京大学西洋史学科、北海道大学法学部卒業。83年衆議院議員当選。93年新党さきがけを結成、代表代行。細川政権で内閣総理大臣特別補佐。96年橋本内閣で経済企画庁長官。99年民権塾を開塾。著書に『落日の戦後体制』(ちくま文庫、2010)、『判断力と決断力』(ダイヤモンド社、2006)、『日本リベラルと石橋湛山』(講談社、2004)、『梅の花咲く ―決断の人・高杉晋作』(講談社文庫、2002)、『舵を切れ ―質実国家への展望』(朝日文庫、2000)。

平昌五輪後の朝鮮半島は和解か、軍事衝突か?日本はどうなる?

2月2日(金)第4232回        辺  真一氏(コリア・レポート編集長)

講師紹介

1947年東京生まれ。明治学院大学文学部英文科。10年間の新聞記者生活を経てフリージャーナリストに。1982年、朝鮮半島問題の専門誌『コリア・レポート』を創刊。海上保安庁政策アドバイザー、沖縄大学客員教授など兼務。『韓国経済 断末魔の全内幕』(宝島社、2018)、『韓国経済 大崩壊の全内幕』(宝島社、2017)、『在日の涙』(飛鳥新社、2017)、『大統領を殺す国 韓国』(角川書店、2014)、『「金正恩と北朝鮮」と日本』(小学館、2012)など。

スマート・エイジング~認知症ゼロ社会を目指す東北大学の挑戦

2月9日(金)第4233回       川島  隆太氏(東北大学加齢医学研究所教授)

超高齢社会にある我が国で、認知症予防を可能とすることは健全な社会を営むうえで喫緊の課題です。東北大学では学際研究により、この問題に正面から取り組み始めており、その先端研究について紹介します。

講師紹介

1959年生まれ。85年東北大学医学部卒業。89年東北大学大学院医学研究科修了(医学博士)。91年スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員。93年東北大学加齢医学研究所助手。2001年同教授。06年同加齢医学研究所 脳機能開発研究分野教授。主な著書に『さらば脳ブーム』(2010年、新潮新書)、『現代人のための脳鍛錬』(2007、文春新書)、『脳年齢チェック』(2006、PHP研究所)、『川島隆太教授の脳を鍛える大人のドリル』(2004、くもん出版)がある。

 

ポピュリズムをどう考えるか

2018年1月12日(金)第4229回       藤原 帰一氏(東京大学大学院教授)

英国のEU離脱、米国のトランプ政権の誕生を機に、ポピュリズムという言葉を聞くことが多くなりました。では、ポピュリズムとは何か。民主主義そのものに内在する危機として、ポピュリズムを考察します。

講師紹介

1956年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得中退。Yale大学大学院に留学。1987年千葉大学助教授。92年東京大学社会科学研究所助教授。99年東京大学大学院教授。主な著書に『戦争の条件』(集英社、2013)、『これは映画だ!』(朝日新聞出版、2012)、『平和構築・入門』(有斐閣、2011)、『アメリカの影のもとで』(共編著、法政大学出版局、2011)、『新編平和のリアリズム』(岩波現代文庫、2010)、『この「くに」の面影』(共著、日本経済新聞出版社、2009)、『グローバル資本主義の未来』(NHK出版、2009)、『戦争解禁』(ロッキング・オン、2007)、『平和政策』(有斐閣ブックス、2006)、『映画のなかのアメリカ』(朝日選書、2006)、『平和のリアリズム』(岩波書店、2004 ☆石橋湛山賞受賞)、『国際政治講座4 国際秩序の変動』『同3 経済のグローバル化と国際政治』(ともに編著、東京大学出版会、2004)、『「正しい戦争」は本当にあるのか』(ロッキング・オン、2003)。

2018年日本経済の展望

12月15日(金)第4228回      嶋中 雄二氏(三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長)

景気は「ゴールデンサイクル」の下で、長さは既に「いざなぎ景気」(57カ月)を超えました。18年度は戦後最長の「イザナミ景気」(73カ月)超えと、数量景気から価格景気への転換に期待がかかります。

講師紹介
1955年東京生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業。三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。83年同行を退職後、早稲田大学大学院経済学研究科修士課程入学(86年修了)、仏リヨン経営大学院留学、米スタンフォード大学フーバー研究所Visiting Scholar。89年三和総合研究所主任研究員、2000年同投資調査部長兼主席研究員、07年三菱UFJ証券参与、景気循環所長を経て現職。主な著書(共著を含む)に『これから日本は4つの景気循環がすべて重なる。ゴールデン・サイクルⅡ』(東洋経済新報社、2013)、『太陽活動と景気』(日経ビジネス人文庫、2010)、『先読み!景気循環入門』(共著、日本経済新聞出版社、2009)、『ゴールデン・サイクル』(東洋経済新報社、2006)がある。

トランプ以後の世界はどこへ行くのか-連欧連亜のすすめ   

12月8日(金)第4227回       進藤  榮一氏(筑波大学名誉教授) 

トランプ登場後一年が経過したいま、世界とアジアの動向は混迷の度を深めています。「15文字(ツイッター)」で政策決定を乱発する異例の大統領下で「没落する核超大国」が展開する世界はどこに向かうのか。「100%の友人で同盟国」と称え合う日米同盟基軸論とは何であるのか。帝国終焉後の世界と「アジア力の世紀」をいかに生き抜くべきか。北朝鮮の核危機とは何であり、勃興し続ける中国やアジアとどう付き合うべきか。一帯一路やAIIBにどう対処すべきか。「アジア力の世紀」を生き抜く日本の知恵を考えます。

講師紹介

1939年北海道帯広市生まれ。1963年京都大学法学部卒。同大学院博士課程を経て、69年よりフルブライト留学生としてジョンズホプキンズ大学院、プリンストン大学院で学ぶ。74年筑波大学助教授を経て教授、学系長等を歴任。その間ハーバード大学、プリンストン大学で上級研究員、オースチン大学、メキシコ大学院大学、サイモンフレーザー大学、コペンハーゲン大学、京都大学、名古屋大学、東京外国語大学等で客員教授を歴任。オックスフォード大学、延世大学、香港中文大学、ウイルソン国際学術研究所等で客員研究員。2003年筑波大学名誉教授。江戸川大学、早稲田大学アジア研究機構教授を歴任。吉田茂賞受賞。東久邇宮文化褒章受章。筑波大学大学院名誉教授。国際アジア共同体学会会長、東アジア共同体評議会副議長。21世紀政策構想フォーラム理事長等歴任。社会福祉法人理事長、国連DEVNET上級顧問兼任。著書に『アメリカ・黄昏の帝国』『分割された領土』『東アジア共同体をどうつくるか』『戦後の原像』『非極の世界像』『ポストグローバリズムの世界像』『敗戦の逆説』『現代紛争の構造』『現代国際関係学』『国際公共政策』等多数。編著に『農が拓く東アジア共同体』『東アジア共同体を設計する』『動き始めた朝鮮半島』『公共政策への招待』。翻訳に『国際関係と正義』『ジェンダーと国際関係』『レーニン』等多数。『芦田均日記(全7巻)』編纂、『国際公共政策叢書(全20巻)』編集。

 

 

2018年への視座

12月1日(金)第4226回        寺島 実郎氏((一財)日本総合研究所会長)

 

講師紹介

1947年北海道生まれ。73年早稲田大学大学院修了後、三井物産入社。83~84年Brookings研究所出向。87年米国三井物産、91~97年同ワシントン事務所長。99年三井物産戦略研究所長。2001年日本総合研究所理事長、三井物産常務執行役員。2009年日本総合研究所会長、多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長。主な近著に『中東・エネルギー・地政学』(東洋経済新報社、2016)、『シルバー・デモクラシー』(岩波書店、2016)、『新・観光立国論 モノづくり国家を超えて』(NHK出版、2015)、『大中華圏』(NHK出版、2012)、『二十世紀と格闘した先人たち』(新潮社、2014)、『脳力のレッスン3』(岩波書店、2010)、『新しい世界観を求めて』(共著、毎日新聞、2010)、『経済人はなぜ平和に敏感でなければならないのか』(東洋経済新報社、2007)、『新経済主義宣言』(新潮社、1994=石橋湛山賞受賞)。

文系軽視・理系偏重は日本を滅ぼす

11月24日(金)第4225回         佐和  隆光氏(京都大学名誉教授)

2015年6月に人文社会学系学部・大学院の廃止・転換を求める文部科学大臣通知が86国立大学長宛に届きました。近年の日本の産業競争力低下は、半世紀に渡る「理系学部の教育の偏向」が原因であることを論証します。

講師紹介
1942年生まれ。65年東京大学経済学部卒業。67年同大学院経済学研究科修士課程修了。同大学助手を経て、71年東京大学経済学博士。80年教授に昇格。この間、スタンフォード大学研究員、イリノイ大学教授等を務める。その後、京都大学経済研究所所長を経て2000年から2016年まで、滋賀大学学長。現在、京都大学名誉教授、滋賀大学特別招聘教授。主な近著に『経済学のすすめ』(岩波新書、2016)、『日本経済の憂欝 デフレ不況の政治経済学』(ダイヤモンド、2013)、『グリーン資本主義-グローバル「危機」克服の条件』(岩波新書、2009)、『佐和教授 はじめての経済講義』(日本経済新聞社、2008)がある。

 

第19回党大会後の中国

11月17日(金)第4224回         高原 明生氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

第19回中国共産党大会後に開かれた中央委員会総会は、習近平第2期政権の新たな成員を選出。本講演では、新しい権力の分布状況が中国の安定に資するのか、第2期政権がどんな政策を実施するのか等につき検討します。

講師紹介

1958年神戸市生まれ。1981年東京大学法学部卒、英国サセックス大学にて博士号取得。立教大学教授等を経て2005年より東京大学大学院法学政治学研究科教授。在中国日本大使館専門調査員、英国開発問題研究所理事、ハーバード大学訪問学者、アジア政経学会理事長、新日中友好21世紀委員会委員(日本側秘書長)、北京大学訪問学者、メルカトール中国研究所上級訪問学者などを歴任。東京財団上席研究員、日本国際問題研究所上席客員研究員、日本国際フォーラム上席研究員などを兼任。主な近著に『シリーズ中国近現代史⑤ 開発主義の時代へ1972-2014』(共著、岩波新書)、『東大塾 社会人のための現代中国講義』(共編、東京大学出版会)がある。